「Twitterがカオスになる!?」イーロン・マスク氏、筆頭株主で“私物化”の懸念

 4月4日、テスラ社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がTwitter社の株式9.2%を取得していたことが米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類で明らかとなった。Twitterのヘビーユーザーとしても知られるマスク氏が筆頭株主となったことで、ネット上では私物化を懸念する声もあがっている。

 マスク氏は3月25日、自身のTwitterで「言論の自由は、民主主義が機能するために不可欠です。Twitterはこの原則を厳守していると思いますか?」という投票をおこない、「No」が70.4%という結果になると、「言論の自由に従わないと、民主主義が根本的に損なわれます」とTwitter批判を繰り広げた上で、「新しいプラットフォームが必要ですか?」とTwitterに変わるSNSを立ち上げる可能性に言及していた。

 しかし、SECに提出された書類によれば、マスク氏がTwitter社の株式を購入していたのは3月14日のことで、一連のツイートはすでに筆頭株主になったあとで行われていたものであり、Twitter陣営に変革を迫るメッセージだった可能性もある。これにネット上では、《イーロン・マスクがTwitterを好き放題おもちゃにして、カオスな状況になりそう…》などと心配する声も少なくない。

「マスク氏はTwitterの筆頭株主になったことが発覚したあとも『編集ボタンが必要ですか?』という投票を実施するなど口出しする気まんまんのようですが、Twitter社のパラグ・アグラワルCEOは『マスク氏はTwitterの熱烈な信奉者であり、私たちを長期的に強くするための激しい批判者でもあります。彼は取締役会におおきな価値をもたらす』とツイート。大歓迎で取締役に招く用意があることを明らかにしています。Twitter社は2年連続で純損益が赤字になるなど厳しい経営状況が続いていますから、マスク氏が取締役に加わることは願ったり叶ったりなのかもしれませんね」(経済ジャーナリスト)

 なお、5日発表の「世界長者番付」によれば、マスク氏の推定総資産は2190億ドル(約26兆9100億円)で、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏を抑えて初のトップとなっている。圧倒的な資金力でTwitter社の筆頭株主となったが、これからTwitterをどう変えていくつもりなのだろうか…。

(小林洋三)

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