角界唯一のウクライナ出身力士・獅司は遅咲きデビューの逸材だった!

 現在、春場所開催中の大相撲。横綱・照ノ富士が途中休場し、中日を終えて幕内の全勝力士が1人と混戦模様の中、関取ですらない幕下力士が大きな注目を集めている。

「角界でただ一人のウクライナ人力士の獅司です。番付は幕下17枚目なので毎日取組があるわけではなく、しかも早い時間帯なので客入りもまばらですが、彼が土俵に上がるときは三役にも負けないくらいの拍手があります」(スポーツライター)

 今月4日、ロシア軍の攻撃を受けて施設の一部が炎上、その後制圧されたザポリージャ原発のあるザポリージャ州の出身。もともとレスリングのジュニア選手で15歳で相撲に転向。その後、欧州選手権で優勝するなど外国人ながら相撲エリートとしてのキャリアを積んでいたという。

「身長191センチ、体重165キロと体格にも恵まれ、押し相撲だけじゃなくレスリング出身なので投げにも対応でき、攻撃のバリエーションは意外と豊富です。初土俵は当時23歳だった2年前の春場所と遅いデビューですがアマチュア力士として8年の経験があり、学生相撲の横綱にも匹敵する実力の持ち主です」(同)

 春場所では9日目ですでに勝ち越しを決め、このまま勝ち星を重ねれば5月の夏場所では幕下上位になるのは確実で、ここでも勝ち越せば7月の名古屋場所での十両昇進も見えてくる。

「幕下でも上位は十両・幕内経験者が並び、元小結の常幸龍ら力のある力士がいますが、ここで勝ち越せれば上が見えてきます。もともと、元大関でエストニア出身の“把瑠都2世”と呼ばれるほど素材の良さはピカイチ。ケガなくいい相撲を取り続けられれば、年内にも幕内入りできる可能性はあるでしょう」(同)

 単に相撲界を盛り上げるだけではなく、祖国の人々を勇気づけるためにも一層奮起してほしいものだ。

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