ロシアによるウクライナ侵攻への抗議活動として、アメリカやカナダの一部ではロシアを代表するお酒である「ウォッカ」の不買運動が巻き起こっている。こうした動きに日本国内でも賛同する声が上がっているが、果たしてこの不買運動には効果があるのだろうか?
2月26日、米ニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事が州内の酒店に対し、ロシア産、またはロシアブランドのアルコール類を販売しないように指示を出すと、翌日にはオハイオ州でもマイク・デワイン知事もロシアのウォッカの購入と販売の停止を命令。オンタリオ州でも同様の動きが出ており、個人経営の酒店やバーなどでもウォッカの販売を自粛する動きが相次いでいるという。
こうした動きに日本のネット上では《世界中のみんなで少しでもロシアに対して反戦のメッセージを伝えることが大切。ウォッカの不買はわかりやすくていいね》《自分たちでも行動できる抗議活動としてウォッカの不買やってみようかな》といった声も上がっているが、この不買には注意が必要だという。
「ウォッカはロシアの代名詞的存在ですが、ロシア国内ではかなり前から特に若者のウォッカ離れが進行し、実は生産量も消費量もアメリカに抜かれたとも言われているのです。ちなみに、日本で有名なウォッカブランドである『スミノフ』はイギリスのディアジオ社の傘下となっていて、日本向けのものは国内などで製造されたものとなっていますし、他にもウォッカは東欧や北欧で造られたものも少なくないので、ウォッカだから買うのをやめようという考え方はやめた方がいいと思います」(ロシア事情に詳しいライター)
ウォッカ不買運動の実質的な効果は薄そうだ。
(小林洋三)