ロシアの次の標的は「恋のマイアヒ」で知られる世界一美人が多いあの国?

 ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ウクライナ周辺国に「明日は我が身」という不安と緊張が広がっている。 

 特にその緊張が最高潮だとされるのが、ウクライナの隣国で、ウクライナから30万人を超える避難民を受け入れているモルドバ共和国。欧州の事情に詳しいジャーナリストがその理由を説明する。

「モルドバはルーマニアとウクライナに囲まれた内陸国で、かつてはソビエト連邦を構成していた国のひとつ。1人あたりGDPは世界水準より低く、ヨーロッパの最貧国とも言われています。1991年にソ連の解体とともに独立国家になりましたが、ウクライナ国境には親ロシア派による『沿ドニエストル・モルドバ共和国』という国際的に未承認の国家が存在し、その地域にはいまもロシア軍が駐留しています。そうした状況を考えると、モルドバが次のターゲットになる可能性は極めて高いと言えるわけです」

 そんな懸念もあり、今月2日にはEUのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表がモルドバを訪れ、さらには5日にもアントニー・ブリンケン米国務長官が同国訪れ、マイア・サンドゥ大統領と会談。

「マイア大統領は親欧米政策を掲げて2020年に当選したばかりです。今後の展開はわかりませんが、もしロシアがオデッサ(ウクライナ南西部の港湾都市)周辺を占領した場合、モルドバが危険にさらされることは必至。3月初めには欧州議会がウクライナのEU加盟申請を支持し、モルドバも3日、EU加盟を正式に申請していますから、いずれにせよ一日も早いEUによる後ろ盾が必要になるでしょう」(同)

 まさに一触即発の状態が続いているモルドバ共和国だが、実はこの国、2004年にヨーロッパ各国のヒットチャートで1位を席巻、日本でも大ヒットした「恋のマイアヒ」で知られる音楽グループO-Zoneの母国でもある。

「『恋のマイアヒ』は、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)のコント『ホストマンブルース』の中で、パラパラのテーマ曲として使用したことで大ブレイクしました。マイアヒのマイはルーマニア語で5月という意味があり、原題は『菩提樹の下の恋』。つまり、内容は5月に菩提樹の下で愛を語り合う、というものです。モルドバはルーマニアのラテン民族とロシア系スラブ人が殆んどで、女性は肌の色が透き通るように白く目がブルーで、スタイル抜群のスーパーモデル並みの美女が多いと言います。国は貧しくとも、心は豊かでしかも美女ぞろい。いまは、そんな彼女たちに悲劇が訪れないことだけを祈るばかりですね」(同)

 EUに接近した報復として、モルドバ共和国に対し天然ガス供給量を削減したというロシア。まるで子供のイジメのような、その姑息なやり口には怒りを覚えるばかりだ。

(灯倫太郎)

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