セ・パCS最終争いの「重大事件」(1)中田翔への激励はミスターの独断行動だった

 リーグ制覇、CS進出を懸けたペナントレースもラスト1カ月の決戦を残すのみ。セ・パ上位3球団がしのぎを削る舞台裏では、そこかしこで〝大事件アラート〟が鳴り響いている。球界事情通たちを緊急招集すると、新聞やテレビで報じられないトンデモ話が出るわ出るわ‥‥。

A(スポーツ紙デスク) 現在のセは3チームが団子の展開だけど、後半戦の一大事件といえば、中田翔(32)の暴行騒動と巨人への電撃移籍だろう。CS争い中の新天地にまったく馴染めていないと聞いた。

B(球界関係者) どうやら、同学年の菅野智之(31)や小林誠司(32)、そればかりか日本ハム時代の〝子分〟石川慎吾(28)からも距離を置かれていると。同じポジションで被るベテランの中島宏之(39)や若手の北村拓己(26)の調子がいいだけに、中田をスタメンで優先起用することへの不平不満がチーム内に充満している。

C(プロ野球中継スタッフ) だからか、あのお山の大将が背中を丸めて目立たないよう過ごしている。それでも、打率1割3分2厘(9月24日現在、以下同)という芳しくない成績と、半ば〝謹慎〟状態のホテル缶詰め生活でストレスが爆発寸前だとか。夜の街で羽根を伸ばすのは厳禁ですから。

A チームでは〝外国人扱い〟で、今季の活躍次第ではクビ切りの可能性もささやかれている。せっかく、長嶋茂雄終身名誉監督(85)に目をかけられているというのに‥‥。

D(球界OB) 9月23日の広島デビュー戦でいきなり1カ月ぶりのアーチが飛び出したのは、ミスターの激励のおかげ。ファーム調整中の中田のために、13日にわざわざジャイアンツ球場まで足を運んだ。実はあれ、ミスターの独断行動だったんだよ。

C そうなんだ!? てっきり、読売が仕掛けたイメージ払拭作戦とばかり‥‥。

D それが違うんだな。天啓がひらめいたのか「今日は中田を元気づけに行くぞ!」と、当日の朝に言い出したみたい。専属マネージャーや球団関係者は対応にてんやわんやの大騒ぎ。前回の8月22日の東京ドーム訪問でも、同じように振り回されていたっけな。

B 当然でしょう。この日は、自分の名前が冠に入る男子ゴルフツアー「セガサミーカップ・ゴルフトーナメント」の最終日。例年、同社会長と一緒に顔を出していましたが、コロナ禍で自宅観戦を要請されていた。それなのに、プロ野球の観戦に訪れて(笑)。

C がっつり野球中継に映っていましたよね。

A あれれ? 確か、地上波でゴルフ中継もやってたよな。完全に裏被りじゃないかよ。

D ミスターの天然行動に大人の事情を押し付けるのは酷だよ。

C 中田が再生を期待される一方で、昨オフにFAで獲得した2人は、原辰徳監督(63)が「選手失格」の烙印を押している。

A そうそう、開幕直前に球場の鉄柵に頭をぶつけて数針縫うことになった井納翔一(35)はもちろん、リードオフマンとして期待されながら負傷離脱中の梶谷隆幸(33)も大罪ですよ。

D アグレッシブなプレーとデッドボールによるケガは、己の不注意以上に不運だったとしか言いようがない。だけど、9月8日のファーム戦、実戦復帰の当日にギックリ腰をやったのはマズかった。

A 報道では「腰の軽い炎症」とお茶を濁していたけど、選手に頑丈さを人一倍求める原監督は「あいつは虚弱体質すぎる」と、怒りを露わにしていた。

C でも、25打席連続無安打、9打数連続空振り三振を記録した丸佳浩(32)が絶不調から抜け出せないのは、原監督の辛抱のなさが原因とも言われている。なんとかバットを振らせようとエンドランのサインを乱発した結果、自分のリズムで打てなくなったと。

A:スポーツ紙デスク/B:球界関係者/C:プロ野球中継スタッフ/D:球界OB/E:在阪メディア関係者

*「週刊アサヒ芸能」10月7日号より。(2)につづく

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