9月24日、すい臓がんのため死去した劇画『ゴルゴ13』作者のさいとうたかをさん(享年84)。漫画界や芸能界だけでなく、愛読者で生前交流のあった麻生太郎財務大臣も「惜しい人を亡くしたぁ」とコメント。
そのゴルゴ13は1973年に高倉健主演の『ゴルゴ13』、1977年に日本・香港の合作で『ゴルゴ13 九竜の首』が千葉真一主演でそれぞれ映画化。これまで実写化されたのはこの2作のみだが、晩年あるパーティーの席上で「次に実写化するなら?」との質問に対し、さいとう氏は「室伏さん。ハンマー投げの」とスポーツ庁の室伏広治長官の名前を挙げていたのだ。
「その話を聞いて、最初はちょっと意外な人選だと感じましたが、室伏長官も頭脳明晰でアスリートとして完璧な身体能力を誇る人物。デューク東郷(ゴルゴ13)もあらゆる能力に長けていて、なにより完璧に任務を遂行する。そこに通じる部分を感じたのかもしれません」(コミック誌編集者)
公式プロフィールによると、ゴルゴ13の身長は182センチで、体重は80キロ。室伏長官のほうが187センチ、103キロとかなりマッチョだが、「仮に実写化するのが日本の映画やドラマではなく、ハリウッド版なら違和感がない」と語るのは映画ジャーナリスト。
「これは全盛期のアーノルド・シュワルツェネッガーと大差ないサイズ。演技未経験ですがゴルゴは基本的に無表情でセリフも少ない。アクションシーンは期待した以上のものを見せてくれるでしょうから、思った以上にハマリ役になっていたかもしれません」(同)
あくまでパーティーの席上での雑談だったようだが、さいとう氏のキャスティング案は的を射ていたものだったのかもしれない。
今後、実現する可能性は極めて低そうだが、室伏広治版ゴルゴ13が実写化されたら話題になることは間違いないだろう。観てみたいという人も思いのほか多いのではないか。