「デスクワーカー」は運動しても早死にするという恐るべき研究結果が!

 猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で外出自粛やテレワーク生活を余儀なくされ、最近めっきり出歩く機会が減り、座っている時間が増えたというビジネスパーソンは多い。

 しかし、長時間の座位は、肥満や糖尿病、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、がんなどを誘発し、死亡リスクを高める原因になると、様々な研究から報告されている。

 こうした理由から、デスクワーカーの中には余暇時間を使って運動に励む人も珍しくないが、その効果は限定的だと医師は語る。

「京都府立医科大学の研究グループは、7年間以上に渡って6万人以上の日本人を追跡調査しました。これは日本で行われた初めての大規模研究です。それによると、日中の座位時間が2時間増えるごとに死亡率は1.15倍になり、脂質異常症、高血圧、糖尿病など生活習慣病があると、さらに死亡率が跳ね上がる。それを回避するために、仮に余暇時間にいくら運動しても、死亡リスクは下がらないことも明らかとなりました。つまり、デスクワーカーが、休日や仕事終わりにジム通いやウォーキングなどをしても、座位時間自体を減らさなければ〝焼け石に水〟ということが証明されてしまったのです」

 ただでさえ、日本人は座りすぎな国民だ。2012年にオーストラリアの研究機関が、20カ国・地域の総座位時間を調査したところ、世界の平均は300分/日であったのに対し、日本は420分/日と2時間も長いという結果だった。

 では、日本のデスクワーカーに救いはないのだろうか。

「長時間の座位による健康被害を軽減するには、立ったまま仕事をする〝スタンディングワーク〟がおすすめです。近年、海外ではその効果に注目が集まっており、欧米ではGoogleやFacebookなどの企業、大学でも導入されています。ただし、スタンディングワークは、正しい姿勢で立たないと腰や肩に悪影響を及ぼしてしまうため、注意も必要。頭頂から足裏までまっすぐにした状態で背筋を伸ばして行います。理想的な姿勢を保つには、肘の角度が90度のところにキーボードを配置し、モニターは目線のやや下の位置にくるようにして、顔から40㎝ほど離すのがポイントです」

 座してただ死を待つ運命を変えるために、今こそ立ち上がるべきなのかもしれない。

(橋爪けいすけ)

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