2億3000年前から6600年前まで、地球の生態系の頂点に君臨していた恐竜。その後、大規模な隕石衝突による急激な環境変化で絶滅したとの説が有力だが、日本国内ではこれまで19道県で恐竜の化石が出土している。
もっとも有名なのが国内の出土数の約8割を占める福井県だが、それに続く場所として注目を集めているのが熊本県。1996年に御船町内の地層から見つかった翼竜の化石がこのほど新種だと認定され、「ニッポノプテルス・ミフネンシス」と命名されたからだ。
今まで熊本で恐竜と聞いてもピンとくる人はほとんどいなかったが、今回の新種発見で地元は大フィーバー。福井のように恐竜による町おこしの機運も高まっているという。
「実は、御船町は国内で初めて肉食恐竜も発掘され、マニアの間では有名な町です。御船町恐竜博物館の展示スペースはそれほど広くはないですが、骨格標本がズラリと並び、人気の観光スポットとなっています」(旅行誌編集者)
しかも、熊本は天草地方でも多数の恐竜の化石が出土している。天草市立御所浦恐竜の島博物館は24年3月にリニューアルオープン。国内の恐竜展示施設としてはもっとも新しく展示物も多い。どちらの施設も年間来場者が120万人を超す福井県立恐竜博物館ほど混んでいないため、じっくり見学できるという利点もある。
「ただし熊本の場合、御船町や天草市がそれぞれ独自に恐竜を使った町おこしをしており、福井のように県全体で行っているわけではありません。ゆえに認知度は低いですが、ポテンシャルは非常に高い。そもそも熊本は阿蘇山など観光スポットが多いですが、観光資源が増えるのは地元にとってもプラス。子供は男の子を中心に恐竜好きが多く、見応えがあるのでそれほど興味のない大人でも楽しめる。新種発見の影響で今後は恐竜博物館を訪れる人も増えるのでは」(同)
旅行で熊本を訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみては。
※写真は御船町恐竜博物館