北海道日本ハムファイターズの中田翔選手が8月11日、出場停止処分となった。8月4日のエキシビションマッチの試合前(対DeNA)、同僚選手に暴力を振るったという。球団発表によれば、「他愛もない会話の最中、突然」とのこと。統一選手契約書第17条(模範行為)に違反したとし、処分された。
中田の今後についてだが、トレード放出、リリースといった厳しい声も聞かれた。
「内部告発や、どこかのマスコミにスッパ抜かれての事件発覚ではありません。球団が発表して明るみに出たんです。球団もそれなりの覚悟というか、今後についてさらに厳しい処分を下すつもりなのでしょう」(ベテラン記者)
放出論が多く聞かれたが、トラブルを起こした選手の引き取り手も見つからないだろう。同時に、ペナントレース後半戦と来季のチーム構想も“白紙”にされた。
「中田を外野にコンバートするプランが検討されていたんです。コーチ陣に提案したのは、栗山英樹監督でした。中田は腰痛でチームを離脱した時期もあり、守備負担の少ない一塁や指名打者でこのまま使い続けていたら、年齢以上に肉体がフケてしまうとし、コンバートの必要性を訴えていました」(球界関係者)
「チームの主砲」を動かすとなれば、チーム全体にも影響が及ぶ。“後任”の新一塁手候補の選考、大田泰示、西川遥輝、若手成長株の万波中正らも状況次第では配置替えを考えなければならず、チームは大きな転換期を迎えようとしていたのだ。
発表では謹慎期間は「当分の間」とビミョ~な言い方だったが、外野コンバートの必要はなさそうだ。
「今回の厳しい処分は2023年完成予定の新球場にも影響しています」(同前)
北広島市への本拠地移転が決定した後、北海道内では新球場をピーアールするイメージ映像もオンエアされている。それに出演しているのは、中田翔だ。新球場建設の計画は、球団だけではなく、本社グループの命運を懸けた一大プロジェクトであり、会見で出た「主力選手、チームの顔」の言葉には、そんな意味も含まれていたのだ。
“外野手・中田”が新球場では見られない可能性も強まってきた。
(スポーツライター・飯山満)