米ニュースサイトから名指しで「ほとんど納税していない」と指摘され批判されている米アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)。しかし今度は、自身が手掛ける宇宙事業のオークションで落札された落札金をすべて子供たちの支援のために寄付することが明らかとなり、一転して称賛を浴びている。
「12日、ベゾス氏が設立した宇宙企業Blue Originは、7月20日に予定されている宇宙船『New Shepard』による初の有人飛行に搭乗できる権利がオークションかけられ、2800万ドル(約31億円)で落札されたと発表しました。この落札金は全額、子供たちの科学・技術・工学・数学分野を伸ばす『STEM教育』を支援するため非営利団体『Club for the Future』に寄付されるといい、これが絶賛されているというのです」(サイエンスライター)
米調査報道専門ニュースサイト「プロパブリカ」は8日、内国歳入庁(IRS)の内部資料を独自に入手し、富裕層数千人の15年以上にわたる納税データを分析したところ、米国な著名な資産家は「ほとんど納税していない」と指摘。ベゾス氏は名指しで2007年と11年に連邦所得税を払っていなかったと報道されていたばかりだった。
「今、アメリカでは富裕層の納税について話題となっていますが、ベゾス氏は脱税したわけでもなく、問題なのはあくまでアメリカの税制。そもそもベゾス氏は20年に気候変動対策として個人としては過去最高となる100億ドル(約1兆1000億円)を寄付するなど慈善活動にも積極的で、今年2月には年内にアマゾンのCEOを退任すると発表しており、退任後は自身が設立した『ベゾス・デイワン基金』などで慈善事業を中心に活動することも明らかにしているのです」(ITジャーナリスト)
今後の慈善活動にも注目していきたいところだ。
(小林洋三)