米Amazonが来年から新車を販売!ネットでクルマを買うメリットはどこに

 米アマゾン・ドット・コムは16日、来年から現代自動車(ヒョンデ)の新車を販売すると発表した。同社のウェブサイト上から車を購入できるのは初の試みで、今後は購入できるメーカーや購入できる地域を拡大していく可能性もあるが、ネットで車を買うメリットはどこにあるのだろうか?

「アマゾンはロサンゼルスで開催されたオートショーでパートナーシップを結んだことを発表し、2024年から顧客が直接アマゾンのサイトからヒョンデの車を購入できるようになることを明らかにしました。これまで、アマゾンのサイト上では複数の自動車メーカーの車を選択することはできたが、実際に購入するためにはディーラーと連絡を取る必要があり、サイト上から直接購入することは出来ませんでした。しかし、今回のパートナーシップ締結によって、アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は『顧客がオンラインで車を便利に購入できる』ようになると説明しています」(モータージャーナリスト)

 自動車の販売を開始するのはまずアメリカからで、顧客はウェブサイト上から好きなモデルや色、機能などを選択し、決済までを完全にオンライン上で完結する。購入した車は近くのディーラーで受け取るか、自宅まで配送してもらうかを選択できるという。購入後のメンテナンスなどもディーラーが対応してくれるため、初期不良などがあったとしても心配する必要はなさそうだ。

「自動車のネット販売といえばテスラが先行していますが、最近では様々なメーカーがオンラインで新車を販売する取り組みを行っていますし、アマゾンの参入によって自動車販売のオンライン化が進むかもしれません。ただ、ディーラーを通さず車を買えることから人件費が掛からないぶん安くなるなら良いですが、そうでないならネットで車を買うメリットはディーラーで余計なオプションを勧められないことくらいしかないのではないように思えますが…。ネット販売では、オプションを間違って購入したり、色味が思っているのと違ったなどトラブルが増えそうですし、少なくとも日本に導入されたとしても、それほどすぐには購入者は増えないのではないでしょうか」(同)

 果たして、日本でもワンクリックで車が買う時代がやって来るのだろうか。

(小林洋三)

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