「鬼滅の刃やエヴァンゲリオンの劇場版映画と、コロナ禍にあってアニメ映画のヒットが続いたことで、同じコロナ禍でピンチに陥った外食産業はその人気にあやかろうと、くら寿司や銀ダコが鬼滅と、すき屋などを運営するゼンショーホールディングスではすき家のほか、はま寿司、ビッグボーイなど外食5チェーンでエヴァと『傘下の5チェーン共同作戦』を展開するなどしてピンチを回避。いずれも狙い通りの好結果をもたらしています」(経済ジャーナリスト)
外食以外でも、コンビニや食品メーカーなどもアニメとのコラボを多数展開、行列ができるほどのジャパニメーション様様なのだが、満を持したかのようにあのマクドナルドも今までとは少し違ったコラボの展開に乗り出す。こちらが組んだ相手は、今や世界的な大スターとなったあのBTSだった。
コラボ対象商品は、彼らが「お気に入り」としていたチキンマックナゲット(10ピース)とポテト、ドリンクのMサイズのセットの「BTSミール」。スイートチリやケイジャン風味のソースが付くのは韓国料理の着想からだという。まずはアメリカ、カナダ、ブラジルで5月26日から販売され、その後6大陸およそ50カ国で展開される。本国の韓国は翌日の27日からだが、じゃあ肝心の日本はいつかと言えばまだ未定というから、日本のファンは悲鳴を上げていることだろう。
「日本ではコロナ禍にあっても業績を伸ばす、惨憺たる外食産業にあってまさに1人勝ちのマックですが、ロックアウトのあったイギリスやフランス、南米などでは売り上げが大きく落ち込んで店舗閉鎖も相次ぐなど、世界的には売り上げを落としていたので今回のコラボは起死回生を図るという意図なのでしょう」(前出・ジャーナリスト)
実はマックが「人」とコラボを組むのは初めてではなく、昨年9月にアメリカのラッパーのトラヴィス・スコットと組んだ時には対象商品が一時的に売り切れたという実績がある。だから今、日の出の勢いのBTSに目を付けたということだろう。
ただ、もともとマックはハッピーセットでポケモンやキティちゃんなどと幾多のコラボを組んできた先行者でもある。その伝統のコラボは健在で、4月16日からはシルバニアファミリーとのコラボを行っている。シルバニアファミリーはエポック社とのコラボだが、今回はそこにおもちゃ屋のトイザらスも加わっていて、マックのレシートをトイザらスに持参すると、トイザらスでしか手に入らない限定のシルバニアファミリー「おでかけゲーム」がもらえる。
いかにコロナでも人気のキャラクターが持つ力には勝てないようだ。
(猫間滋)