「小池百合子の迷走」を舛添要一が一刀両断(2)米CDCをマネしたものの…

 小池知事の国政復帰に向けて試金石のひとつとなるのが、7月4日に投開票を予定している東京都議選だ。小池知事率いる都民ファーストの会は、49議席獲得して最大会派に躍り出た前回から一転、苦戦を強いられる情勢だというのだ。

「4年前の都議選で大勝ちできたのは、公明党が小池知事を全面的にバックアップしたからに他ならない。今回の選挙で公明党は、公認者のいない選挙区での自民党支援を表明している。矛盾しているようですが、小池知事にとって、都議選では『vs自民党』なんです。劣勢とはいえ、ここでコケてしまうと、党内における小池知事の利用価値は無に等しくなりますよ」(自民党関係者)

 そして、やることなすこと空回りばかりのコロナ対策が、敗戦の機運に拍車をかけている。とりわけ最悪なのが、都の職員が2人1組で飲食店を訪ねて、感染防止対策をチェックする「徹底点検TOKYOサポート」だ。東京都議会議員の上田令子氏が嘆息まじりに指摘する。

「わざわざ新しく組織を作るのではなく、区市に権限も財源も委ねて保健所の人員を補充するべきでした。地域の保健所は、飲食店から『食品衛生責任者』の届け出を受ける関係で、地域の店舗事情に明るい。不慣れな都職員や小池さんに任せるより、かねてから店主と顔を合わせてきた保健所に任せたほうが、格段に効率は上がります」

 前出の舛添要一氏も首をかしげながら、

「もし、見回り隊のような試みをするならば、条例とセットにしないと効果は薄い。例えば、夜9時以降に公園やコンビニの前で飲酒をしたら罰金10万円を科すような、国の法律よりも厳しいルール。街灯以外を消灯させている場合ではない。条例にすることで、警察官を動員して取り締まることが可能になります。都庁の職員がマイクやプラカードを持って訴えるより、はるかに抑止力になるはずです」

 他にもある。米国のCDC(疾病予防センター)をマネして作った「東京iCDC」は大言壮語の極みだ。

「アメリカのCDCは連邦政府の機関で、州の境を越えて移動するウイルスに監視の目を光らせています。感染防止状況、PCR検査、ワクチン開発の司令塔のような存在です。一方で昨年10月に立ち上げた日本版は取り立てて活動実績を聞きません。そもそも、東京だけでなく全国をカバーしないと意味がない。聞こえのいい名前に飛びついた感は否めません」(舛添氏)

 これだけ迷走が続けば、都知事選を待たずしてノックアウトされるか。いずれにせよ、対策よりも〝やっている感〟ばかりが目立つのは現総理とどっこいどっこいだ。

*「週刊アサヒ芸能」5月6・13日GW合併特大号より

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