現役クラブ嬢をモデルに起用して一世を風靡したファッション誌「小悪魔ageha」が1月5日、Webメディアとして再始動した。
「Web版では、『完全現役のみの若手嬢・ダンサー』をコンセプトに、ファッション、ビューティ、エンタメの3つにカテゴリーをわけ、動画とSNSを中心にガールズカルチャーのトレンドを伝えるほか、読者参加型のコンテンツを充実させる予定のようです」(女性誌ライター)
もともと「小悪魔ageha」は、2005年10月に「小悪魔&ナッツ」として創刊。創刊時から誌面に”夜の蝶”を起用して、夜のクラブ文化を支える姿勢が若い女性読者層の支持を集め、2008年の最盛期には発行部数35万部を記録。その後、発行元の事業停止や変更など、紆余曲折と何度かの休刊・復刊を経て昨年4月に季刊のムック本で復活を遂げ、今回のWeb版で華々しく再スタートを切ったわけだが、このニュースにSNS上では、
《懐かしい~。嬢じゃなかったけど、よく読んでたなぁ~》《クラブ嬢さん、みんな奇麗でまるで別世界だったけど、素敵だったなぁ》と復活を喜ぶ声がある一方、《コロナ禍なのにクラブ嬢のファッションに興味ある人いる?》といった厳しい声も……。
「かつて、社会学者の宮台真司氏はこの雑誌を“クラブ嬢の教科書”と称しました。というのも、この雑誌がファッションのカテゴリーにとどまらず、非行や家出といった暗い過去を持つ彼女たちの心の内面にまで切り込んで、読者である女性たちの共感を得たといいますからね。新設したWeb版では現役嬢の私服チェックや、自己紹介動画などが公開され、知られざる本音や私生活が垣間見えます。また、今回の再始動にともない、モデルオーディションを開催していますが、そのエントリー条件として、クラブ、ラウンジ、ナイトクラブのダンサー、そしてギャラ飲みで収入を得ている(得ようとしている)点を挙げていましたが、ギャラ飲みを生業と認識しているところに時代の流れを感じますね」(夜の情報誌ライター)
かつて同誌で活躍したモデルは「ageモ」もしくは「age嬢」と呼ばれ、引退後は自身のファッションブランドを立ち上げたり、デザイナーとして活躍する女性も少なくなかった。コロナ禍の自粛要請で夜の街からかつての賑わいが消えて1年が経とうとしている。「ageメディア」の復活がクラブ嬢たちを活気づける起爆剤となるか、注目したい。
(灯倫太郎)
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