企業へのクレームや日頃感じている不満を買い取ってくれるサービスが、「不満買取センター」だ。
これは買い取った不満をデータとして集約し、マーケティングに活用したい企業に提供することで利益を上げるビジネスモデル。特筆すべきは、「冷蔵庫の異音が気になる」といった商品へのクレームや「トイレの場所が分かりにくい」など店舗に対するクレームと同様に、日常生活を送る中で感じる「妻のイビキがうるさい」等々の不満も買い取りの対象となる点だ。
スマホ片手に他愛もない不満を投稿するだけで小遣い稼ぎができることから、気楽な副業として注目を集めている。
「不満買取センター」で不満を売却するには、どのような手続きが必要なのか。
インストールした公式アプリからメールアドレスを登録したあと(ウェブでも可能)、生年月日、性別、子供の有無、世帯年収などプロフィールを入力することで初期設定は完了。アプリ内の「不満を売る」の項目から不満の投稿が可能となる。
不満を売却する際に必要となるのがカテゴリー設定。仮に「喫茶店で出てきたホットコーヒーが冷めていた」という不満を投稿する場合は、メインカテゴリーの「外食・出前・お弁当」からサブカテゴリーの「カフェ・喫茶店」を選択する。さらに「カフェ・喫茶店名」「支店・店舗名」の項目で具体的な店名を記入し、「商品名」に「ホットコーヒー」と入力。
「不満の内容」として「作ってから持ってくるのが遅かったのか、ホットコーヒーが冷めていました」といった具合に記入する。最後に「不満による来店頻度」の項目で「行かなくなった」「頻度が減った」「影響なし」のいずれかを選択することで投稿が完了。
事前にテーマが決められているキャンペーンでは最大50ポイント、通常は1回の投稿につき1~10ポイントが付与され、1ポイント1円換算で500円かアマゾンギフト券の形で報酬が支払われる。
はたして「不満の売却」はどれぐらい儲かるのか。
「額は少ないですが、不満を書いてお金をもらえるだけで満足です」とは、同サービスを数年前から積極的に活用し、「毎月だいたい2500円分もらっている」と言う30代主婦。
「最近、投稿できる回数に制限がかかるようになって現在は1日10回まで。そうした事情から〝不満の質〟を重視するようになりました」
報酬アップのための〝不満の質〟とは─。
「投稿文は最低15文字ですが、不満内容について、できるだけ具体的に詳しく記入することで高ポイントにつながるんです。普通に書けば5ポイント程度でも、しっかりと〝不満の質〟を意識して書くことで、上限に近い9ポイントがコンスタントに得られます」(同)
不満と向き合い、生活を見直す機会にもなるのであった。
(もとおり・ひろゆき)