今回は、現在の副業業界の流れを紹介し、今後、副業を巡るトレンドがどう変わっていくのか展望を見ていきたい。
空いた時間で出前などの配達業務を行う「パートナー配達員」や自宅の空いたスペースを物置として貸し出す「物置レンタル」など、今や気軽な副業の代名詞となったのが「シェア(共有)型」だ。
いずれも「何かを提供したい側」と「提供を受けたい側」を結び付けるマッチングサイトが仲介役となるのが特徴で、スマホがあれば誰でも働きたい時に働けるようになった。
きわめて手軽な一方、シェア型の副業は企業と雇用関係を結ぶわけではないため、安定収入は期待できない。ギリギリの生活を打開するといった目的で取り組むのではなく、半ば楽しみながら気長に収入を追求するスタンスが必要となる。
また、ネット販売サービスを活用した副業も「ノーリスク」である点から存在感を高めている。
オリジナルTシャツの制作販売サイト「Tシャツトリニティ」では、デザインを用意するだけでTシャツのプリントからサイト上での販売、購入者への発送まで全て代行してくれるため、在庫を抱えることなく即日Tシャツ販売ビジネスに乗り出すことが可能に。
スマホで撮った写真素材を販売できる「スナップマート」、自著を電子書籍として費用ゼロで販売できる「キンドルダイレクト・パブリッシング」や、自作音源の販売が可能な「オーディオストック」などでもノーリスクの副業が可能だ。いずれも空いた時間に出品数を増やしていけば「寝ていてもカネが入る環境」を構築することになる。
現在は「シェア型」と「ノーリスク型」が全盛の副業業界だが、はたして今後、トレンドはどのように変わっていくのか。
「自作サイトに広告を貼って収益を得る『アフィリエイトビジネス』しかり、アメリカではやった副業が5年遅れで日本で流行る傾向があるんですよ」
と指摘するのは、シアトル在住のジャーナリスト、サイモン・ペリー氏だ。
「アメリカでは2009年頃に民泊の副業が流行りだしたのですが、民泊ブームの先導役であるAirbnb(エアビーアンドビー)社が日本に本格進出したのは5年後の14年。UberEats(ウーバーイーツ)を使った『パートナー配達員』の流行は約2年遅れ。今後さらに日米の時間差はなくなっていくでしょう」
現在のアメリカではどういった副業がはやっているのか。ペリー氏によると、
「個人コンサルティングですね。最近はあらゆるジャンルのコンサルタントが副業化していて『ツイッターのつぶやき方』を教える『ツイートコンサルタント』まで、副業として成り立っている。日本でも来年には流行るかもしれませんよ」
副業先進国の”予言”が実現する日は─。
(もとおり・ひろゆき)