ネット上で「商談の仲介」を行うことで報酬を得ることができる。
このところ、ビジネス誌で取り上げられる機会が増えているのが、「顧客を紹介してほしい企業」と「顧客を紹介できる個人」をつなぐビジネスマッチングサービス。いわば営業代行の個人版というもので、紹介者に謝礼が発生する仕組みとなっている。
企業にとっては営業のコストが削減できるほか、紹介者は知人にサービスの運営企業を紹介するだけで気軽に報酬を得られることから、人脈を駆使した新たな副業としても話題となっている。
導入している企業は人材派遣会社やオフィス用品のリース会社、飲食店の卸業者など多岐にわたる。自らは知り合いの紹介以外は何もせず、まさにスキマ時間で行える副業だが、どういった手続きで実践できるのか。
国内大手サイト「セールスハブ」の場合、トップページの会員登録フォームでメールアドレスから住所、氏名、性別、生年月日のほか、勤務先に関する情報を入力することで登録が完了する。会員登録後は掲載されている企業情報の閲覧が可能となり、検索フォームから「業種・部署」や「商談が行える都道府県」「商談実施による謝礼の金額」などの項目で企業を検索できる。
同サイトで謝礼を得られるタイミングは「アポのセッティング」と「ビジネスの成約」の2種類。前者の場合、成約の有無にかかわらず、紹介した知人と企業が商談を行うだけで紹介者に数千円から数万円の「お祝い金」が発生する。
商談の成約が条件となる「ビジネスの成約」の謝礼の形式はさまざまだ。「アポのセッティング」と同様に、1契約あたりの「お祝い金」が支払われるケースのほか、「契約金の10%」などビジネスの規模に応じて支払われるケースも多く、10万円以上の謝礼も期待できる。さらには「契約期間中は毎月3万円を支払う」といった〝継続型〟の謝礼システムを導入している企業も散見される。
サイトを介して数千円の紹介料だけでなく、継続収入も見込める同サービス。はたして、副業として取り組むにはどんなコツがあるのか─。
「安定して稼ぐなら『電気料金の削減』など『職種を問わず勧められる案件』かつ『紹介する知り合いに負担がかからない案件』を優先するのが理想ですね」
とは同種サービスに詳しいIT関係者だが、続けて長く稼ぐための秘訣を明かすには、
「成約後に多額の謝礼が期待できる大型案件は魅力的ですが、そこまで本腰を入れるなら、直接会社と掛け合って代理店契約をしたほうが報酬率が高いでしょう。知り合いに〝高い買い物〟をさせて恨まれないためにも、メリットと負担をしっかり考えるべきです」
人間性が問われる副業なのであった。
(もとおり・ひろゆき)