ユーチューブなどの動画サイトに流れるネットCM。これらは動画の視聴者をターゲットとして企業が配信している広告だが、あえて〝広告のみ〟を視聴することで収入を得ることができる。
近年、手軽な小遣い稼ぎの方法として注目を集めているのが、動画の視聴に応じて換金可能なポイントや現金を獲得できる「ネットCM視聴サイト」だ。
指定された動画を専用のスマホ用サイト上で再生することにより、ポイントが蓄積されていく仕組みとなっている。スマホだけあれば誰でも難なく実践可能なこの副業だが、いったいどのような手順で取り組めるのか。
300万人の登録者を抱える国内大手CMサイトの場合、「新規登録」の項目から、メールアドレスとパスワードを設定してアカウントを作成。さらに「自家用車の有無」「居住形態」「世帯年収」「職種」を入力するほか「ファッション」「音楽鑑賞」といった関心のあるジャンルにチェックを入れることで登録が完了する。
ここで入力した情報により、今後配信される動画が絞り込まれるため、より多くの動画を視聴するためには少しでも多くのジャンルにチェックを入れる必要がある。登録後、同サイトでCM動画を閲覧する場合は画面最下部の「動画」タブをタッチ。カテゴリー別のほか、取得できるポイント別に動画が表示され、画面上で再生することができる。
CM動画の形式はさまざま。数十秒間、そのまま流れるだけの映像のほか、動画の途中で内容に関するアンケートが挿入されるケースも。アンケート動画の場合、視聴中に何度か画面をタッチする必要があるが、いずれも閲覧後に表示される「コンプリート（達成）ボタン」を押すことでポイントが取得できる。
これら「ネットCM視聴」で得られる報酬は動画1本の視聴当たり5円から20円が一般的。極めて手軽な分、報酬も雀の涙だが、同様のサイトに長年取り組む30代主婦は、こう語る。
「動画1本で数百円単位の報酬がもらえるケースもけっこうありますよ。美容系や保険系だと、動画を見て終わりではなく、さらに〝資料請求〟も可能な案件があるんです。その場合、自宅の住所や電話番号を掲載企業に伝える必要があるのですが、報酬が跳ね上がるんです」
個人情報を伝えても、生活に支障はないという。
「資料請求をしても営業電話がかかってくることはめったにないですし、登録するメールも〝捨てアド（日常的にチェックしない登録用のメールアドレス）〟にしておけば大量のメールが届いても問題ありません。複数のネット動画視聴サイトに登録しておけば、月々1万円の収入も十分可能です」
手軽さが最大の魅力なのであった。
（もとおり・ひろゆき）
