近年、荷物を送りたい荷主と個人の宅配ドライバーを仲介するマッチングサービスが急成長し、物流業界のみならず副業の世界にも新風を吹き込んでいる。
これら「配送クラウドソーシング」のメリットは、荷主は既存の宅配業者を利用するより迅速に荷物を送ることができ、ドライバーは空いた時間を宅配業務に有効活用できる点にある。
現在、国内では「ピックゴー(PickGo)」や「ダイヤク(DIAq)」など複数の仲介業者が登場して、「週末宅配ドライバー」が急増しているという。乗り物に加え、スマホがあれば誰でも携わることができるが、どのような手続きでスタートできるのか。
とりわけ簡単に登録できるのが「ピックゴー」。サイトから名前、電話番号、在住の都道府県、メールアドレスを入力するだけでアカウントの作成が完了する。さらに同サービスの「ドライバー専用アプリ」をスマホにインストールしたうえで、アプリ内からドライバー情報を登録する。
車のナンバーや振込口座、自己紹介文といった情報に加え、必要となるのが本人の顔写真と配送に使う車の写真。車の写真はナンバープレートと荷台が見えるように「斜め前からの撮影」を行う必要がある。さらに「運転免許証」「自賠責保険の証書」「任意保険の証書」「貨物保険」の証書をスマホカメラで撮影しアップロード。その後の審査で無事通過すれば、業務が可能となる。
仕事の受注も全てアプリだけで完結するのが同サービスの特徴だ。アプリ下部にある「案件検索」のタブを選択することで、募集中の案件それぞれの「日時」「受け取り地域」「配達地域」「報酬」といった情報が一覧で表示。地名を入力することで、近隣の案件だけを表示することもできる。
実際に募集されている案件を見てみると、東京23区内の「1時間以内」が条件の配達で6000円の報酬が提示されるなど、なかなかの高単価。はたして「週末宅配ドライバー」として効率的に稼ぐコツはどこにあるのか。
「時給3000円以上の仕事もけっこうありますが、いきなり担当できることはマレです。最初はコツコツと配達の実績を作ることが基本ですね」
こう語るのは、配送クラウドソーシングに携わるIT関係者。続けて言うには、
「オイシイ案件の場合、確実に複数のドライバーがエントリーしているので、その中から選ばれるには、『これまでの配達数』や『荷主からの評価』などの活動実績が重要になってくる。ワリがよくなくても仕事の数をこなすことで『信頼の指標』を獲得でき、さらに儲けやすくなる仕組みです。荷主に好印象を与えるようなプロフィール写真を掲載するのも効果絶大ですよ」
写真写りのよさも儲けるコツの一つであった。
(もとおり・ひろゆき)