大野雄大“残留決定”で訪れるドラゴンズの厳冬更改「選手から恨み節も…」

 今オフの国内FA市場の目玉である中日・大野雄大投手(32)の残留が確実視されている。今季最終戦となる11月11日の広島戦の試合前、大野自身の口から「試合で投げるたびにこのチームでやりたい気持ちが強くなっていった」とチーム愛が語られた。

 来季は球団創設85周年、優勝が必須事項となる与田剛監督もひと安心だが、オフの契約更改は大波乱となりそうだ。

「大野はFA権利を行使せず、『年俸3億円プラス出来高の3年契約』となりそう」(スポーツ紙記者)

 2年連続の最優秀防御率のタイトル獲得が確定し、最多奪三振もほぼ手中におさめた。沢村賞の筆頭候補でもあり、今季20試合に登板し、11勝6敗、防御率1・82。“3年約10億円”に相応しい成績だが、そもそも、中日のチーム総年俸は19億3944万円(選手会発表)。12球団中10位で、近年の緊縮更改もあって、1億円プレーヤーは大島洋平(2億5000万円)、平田良介(1億8000万円)、大野(1億3000万円)の3人しかいない。平田が成績を落としていることを考えると、大野だけが突出した高給取りとなりそうだ。

「8年ぶりのAクラス浮上となったのは、若手の頑張り。こうした功労者に関しても昇給は間違いありませんが、まだ実績がないので大幅増は期待できません」(ベテラン記者)

 チーム総年俸に関しても、アップするという話は出ていない。まして、今季はコロナ禍による無観客試合もあって、球団の収益は大幅に落ち込んでいる。創設85周年のメモリアルだからといって、大盤振る舞いされることはないだろう。

「大野が残留したこともあって、中日が国内FA市場で他選手を獲る話も出ていません。外国人選手を入れ換えるだけ。チームの補強は大野の残留とドラフト会議で終了したようです」(前出・ベテラン記者)

 厳冬更改となれば、他の中日選手から大野への恨み節も聞こえてきそうだ。メモリアルイヤーの来季、本気で優勝を狙うのなら、主力選手の大幅増も認めてやるべきかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

※年俸は推定金額

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