「ドラゴンボール」「ワンピース」「鬼滅の刃」をはじめ、国内外を問わず長年にわたって日本の漫画が親しまれています。
かくいう私も漫画が大好きでして、独特の世界観が魅力の「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズや、昨年に惜しまれつつも連載終了となった「落第忍者乱太郎」(アニメのタイトルは「忍たま乱太郎」)などは、ずっと読み続けていました。
漫画家といえば、中高生の「将来なりたい職業」ランキングで常に上位に挙がっていますが、大人になってから目指すのは遅いということは決してありません。
今回、ご紹介するのは「漫検」こと「漫画能力検定」。この検定は「漫画キャラクター検定」と「漫画家アシスタント検定」を合わせた総称であり、その名のとおり、前者ではキャラクター描写を重視したスキル、後者では背景を描く画力に加えてトーン貼りや効果線など漫画作成に必要な技能をはかります。
それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉理不尽なことが大嫌いで正義感が強い性格の、スーツを着た七三分けヘア(黒髪)のビジネスマンが、パワハラ上司に業を煮やして上目遣いで怒りを滲ませている様子を、バストアップ(上半身)のカットで描いてください。
〈問2〉問1で描いたビジネスマンの絵に集中線を足して、「やられたらやり返す、倍返しだ!」というセリフの吹き出しをつけてください。
実際の問題もこうした実技形式で出題され、試験は全国の専門学校などで行われます。
漫画を描くスキルはさまざまなビジネスシーンで役立つでしょう。
社内報や会議用レジュメなど内部資料を作る機会が多い人は、堅苦しい文章を漫画仕立てにすることで、「これほどわかりやすい内容の資料は初めて読んだよ!」と、上司からの評価がグンとアップするかもしれません。
いずれはプロの漫画家としてデビューすることも十分可能です。
例えば、少し前にはやった「100日後に死ぬワニ」。これは100日後に死ぬワニの日常を描いた日めくり漫画ですが、2019年にツイッター上で公開されるや、たちまち話題に。累計で1000万もの「いいね」がつき、連載終了日にはツイッターのトレンドで世界1位を記録。書籍化もされ、35万部以上の大ヒットとなりました。
ひと昔前までは、漫画家になろうとしたら、出版社の漫画賞に応募するか、漫画誌の編集部に作品を持ち込むなど、ごく限られた道筋しかなかったように思えます。また、商業誌に連載を持って初めて、一人前の漫画家として認められる風潮もありました。
ところが今は、誰でも手軽にSNSを通じて世の中に発信できるようになり、趣味で描いた漫画を投稿していたら、超人気アーティストに‥‥なんてことも夢ではありません。
漫画に必要なスキルを身につけるためにも、一度チャレンジしてみては?
儲かる指数:67
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。