著名人「急死続出」で緊急調査 本当に痛い病気15(1)尿管結石は陣痛に比す痛み

 気象庁は、この冬の平均気温は過去2番目に高い〝異常な暖冬〟だと発表した。それでも寒暖差激しい日替わり天気のせいか、有名人・著名人の訃報が続いている。せめて逝く時くらいは静かに迎えたい、というのが誰もが望む最期だろう。そこで絶対に罹患したくない「痛い病気」を緊急調査したところ…。

 3月1日、漫画家の鳥山明氏が亡くなった。「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」など人気漫画の他、ゲーム「ドラゴンクエスト」など数々のキャラクターなどを生み出した天才アニメーターの訃報に、国内外を問わず波紋が広がっている。68歳で急逝した理由について、医療ライターが解説する。

「発表された死因は、急性硬膜下血腫。頭部の外傷などで脳と硬膜の隙間に血がたまって脳を圧迫する病気です。鳥山さんが発症した理由は不明ですが、外傷以外でも、脳内の血管の異常で発症するケースもあり、死亡率は6割を超えます」

 鳥山氏のほか、早すぎる訃報がこのところ相次いでいる。歌手の小金沢昇司氏(65)、大相撲の先代・錣山親方(元寺尾・60)、芸人の島崎俊郎氏(68)…。人生100年が声高に叫ばれる長寿社会の現代にしてはあまりにも早すぎる死だ。

 こうした著名人の急死が相次ぐ中、おのずと気になるのがその死因だ。「若くして亡くなったのには何らかの理由があった」「もしや最期は相当苦しんだのでは?」など、したくもない想像を巡らせた上、結局のところ「どうせ病気になるにしても、痛い病気は勘弁」と我が身を案じてしまうのだ。

 誰もが最期はピンピンコロリを望むだろうが、実際には、あまりの苦痛でいっそ死なせてと口走りたくなる病気も実在する。藤崎メディカルクリニック副院長の佐藤留美医師はこう語る。

「中高年がなりやすく、激痛を伴う病気としては、痛風、尿管結石、心筋梗塞などが俗に『世界3大疼痛』などと呼ばれます。比較的身近でなりやすく、痛みを伴う嫌な病気の代表格として挙げられます」

 まず、痛風は中高年の男性にはお馴染みのものだろう。体内で作られる尿酸が増えすぎる「高尿酸血症」という病気だ。血液に溶けきれなかった尿酸が結晶化して関節や組織にたまり、免疫細胞が反応するため、痛みを生じる。「風が吹いても痛い」とはよく言われるが、痛い病気の代表格として知られる。「ある日、突然足首の激痛に襲われ、数日間は歩くこともできなかった」(50代、自営業男性)というように、日常生活を送るだけでも難儀することになる。

 尿に含まれるカルシウムやマグネシウムなどが過剰になって尿路に結石ができる尿管結石。

「横になることも困難で、始終脂汗が出るほどの苦しい痛み。真っ赤な小便を垂れ流して悲鳴を上げた。以前痛風の発作も経験したが、確実に10倍以上は痛かった」(50代会社員)

 むろん狭くなった血管に血栓が詰まることで起こる心筋梗塞もただごとではない。

「尿管結石の痛さは、陣痛と比較されるほど。その点、急に締めつけられるような痛みを感じるのが心筋梗塞です。痛みを感じる前に、突然死をしてしまうこともあります。同じ血管が詰まる病気で似たものとして狭心症もありますが、こちらは痛みの持続時間は短い。主に胸部に痛みが生じますが人によっては肩、背中が痛くなることもあるので、整形外科に行っても原因がわからず、よく調べてみたら狭心症だったなんてことがよくあります」(佐藤氏)

 痛い、と思ってからでは遅いのだ。

(つづく)

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