3月1日に急性硬膜下血腫のため68歳という若さで人気漫画家の鳥山明さんが急逝し、世界中が悲しみに暮れる中、代表作である「ドラゴンボール」のテーマパークが建設されることが東映アニメーションから発表され、ファンからは歓声が上がっている。しかし、建設地が日本ではなく、サウジアラビアであることには「なぜ?」と疑問の声も少なくない。
「ドラゴンボールのテーマパークが建設されるのは、首都リヤド近郊に開発中の娯楽都市『キディヤ・シティ』。東京ドーム約10個分にあたる広大な敷地に7つのエリアと30を超えるアトラクションが用意されるとのこと。それぞれのエリアには、カメハウスやカプセルコーポレーション、ビルス星などTVアニメシリーズ『ドラゴンボール』から『ドラゴンボール超』までの作品に描かれた世界が再現されていて、パーク内にはレストランやホテルも完備し、1日中ドラゴンボールの世界を満喫できるといいます」(エンタメライター)
サウジアラビア政府が100%出資する投資会社「Qiddiya Investment Company」と日本の東映アニメーションが戦略的パートナーシップを結んで実現したというが、やはり日本のファンからは《なぜ日本に建設しないんだ》という声も多く、《日本の大事な文化資源を海外に流出させていいのか!》といった意見も寄せられている。
「『キディヤ・シティ』にはドラゴンボールのテーマパークの他に、ゲーミング&eスポーツ地区なども建設される予定となっていて、具体的な投資額は明らかにされていませんが、一説には1兆円を超える資金が投入されていると言われています。ですから、日本企業がドラゴンボールのテーマパークを国内に作りたいといっても規模も予算も到底かなわないでしょう。しかも、陣頭指揮を執るのは無類の日本アニメファンとして知られるムハンマド・ビン・サルマン皇太子ですから、クオリティもかなりのレベルになるのではないでしょうか。現在、サウジアラビアでは石油依存からの脱却を目指して、娯楽・観光プロジェクトに力を入れていて、日本のコンテンツにもかなり注目しているようですし、サウジアラビアが日本に大きな利益をもたらしてくれるかもしれません」(経済ジャーナリスト)
東映アニメーションがパートナーシップを締結したことで、今後はさらに多くの日本作品がサウジアラビアで活躍することになるかもしれない。
(小林洋三)