「うちのオフィスにはちょっと大きめの飲食スペースがあって、お昼にはみんなでテレビを見ながらお弁当を食べたりするんですけど絶対にフジはつけません。二冠に輝いた藤井七段のニュースとか絶対やるじゃないですか。ダメですね〜絶対。『バイキング』だけはマズイので念のため、誰かが変えないようにテレビのリモコンを隠しておこうかってみんなと話してたんです」
こう話すのは東京都内の食品メーカーに勤務する20代のOLである。
8月20日、高校生プロの藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)を80手で破り、2つめのタイトルを奪取。持ち時間を34分も残しての勝利に、藤井“二冠”は「4連勝という結果は望外というか、実力以上の結果だった」といつものように謙遜気味に語った。
空前絶後の快進撃。昼のワイドショーは“藤井一色”となりそうだが、なぜ「バイキング」が“要注意番組”に指定されたのか。前出のOLが語るには…。
「じつはうちの部長がコロナの自粛期間明けにヅラをつけて出社してきたんです。バレバレなんですけど、誰も突っ込めないですよね。確か6月だったかな、そんな時に会社でテレビを見てたら、『バイキング』に出ていた解説者の人がヅラを取って、坂上(忍)さんがゲラゲラ笑ってて。その部長も近くにいたから、その場がキンキンに凍りつきましたよ」
彼女が言う「解説者」とは佐藤紳哉七段(42)。「バイキング」に出演するたびに、すでにおなじみとなった“カツラ芸”でスタジオを爆笑の渦に巻き込んでいるが、確かに初めて見る視聴者はド肝を抜かれるかもしれない。
「佐藤七段は将棋界では知る人ぞ知るエンターテイナー。20代から薄毛に悩んでいたようで、カツラの装着を決めてからは、それを逆手に取って対局中にヅラを取るパフォーマンスが注目を集めて、一躍、人気棋士となりました」(将棋ライター)
そんな佐藤七段は8月19日放送の「バイキング」に出演。将棋初心者でもわかるように、藤井二冠について「終盤戦の基本の部分が強い」「戦うごとに強くなる印象を受けます」と将棋初心者にもわかりやすく解説していた。その頭はフサフサ。見ている分にはまったく違和感はなかったのだが…。
「坂上さんが頭の“ズレ”を指摘して、徐々にカツラが“後退”していき、みんながハラハラするという“ヅラハラ演出”ですね。この回は、最後に盤面で解説する際、佐藤七段のヅラがポロリと落ちるというオチでした。そこまでして将棋の普及に努める佐藤七段のプロ根性には頭が下がります。YouTubeとか深夜のバラエティで見る分にはいいかもしれませんが、お昼の番組でやるようなネタではないのではないかなぁ〜という気もします。坂上さんは爆笑しながら『何ひとつ(解説が)入ってこない』と言っていましたが、やはり『バイキング』は情報番組ではなくて、なんでもアリのバラエティと認識すべきでしょう」(エンタメ誌ライター)
お昼の番組での“ヅラ演出”については賛否両論。ネット上では《佐藤七段に勇気をもらいました。うちの夫にカツラを取るように進言してみます》《佐藤七段のおかげで将棋のファン層が広がりそう》と好意的な意見が見られる一方、冒頭のOLのように《ネタとはわかっていても、カツラの人を笑いものにするシーンは受け入れられない》《佐藤七段はイケメンなんだから最初から“素頭”で出演してほしい》といった声も見られた。
いずれにしても、ヅラ演出が苦手という人は、別のチャンネルで「藤井二冠」のニュースを見たほうが賢明のようだ。
(平沼エコー)