まるで映画!運命の糸で結ばれていた「バイきんぐ」出会いは意外すぎる場所で…

 バイきんぐ(小峠英二、西村瑞樹)が「キングオブコント2012」で優勝して、今年でちょうど10年。以降、所属するソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)の芸人は快進撃を遂げている。ピン芸人のハリウッドザコシショウ、アキラ100%は「R-1ぐらんぷり」(当時表記)で優勝。錦鯉(長谷川雅紀、渡辺隆)は大会史上最年長で「M-1グランプリ2021」を制し、SMA芸人がお笑い界のグランドスラムを達成。ブレイク予備軍も多い。

 その口火を切ったのが、バイきんぐ。小峠は昨年、帯番組を抱えていないにもかかわらず、テレビ番組の年間出演本数が440本。芸人部門で4位に食い込む大健闘だった(ニホンモニター調べ)。

 2人の出会いは、高校3年生のときに通っていた大分県の自動車教習所の合宿。お笑い養成学校や地元の友人、学生時代の同級生とコンビを組むパターンが多いなか、教習所の合宿所の出会いはレアケース。しかも、小峠は福岡県出身で、西村は広島県出身。19歳だった小峠はパンクロックに熱を上げており、奇抜なヘアスタイルだった。一方の西村は普通の18歳。クラスメイトだったなら絶対に接近しないであろう2人は、合宿所にほぼ同時期に入学。およそ3週間、共同生活した。

「同世代というだけで、仲良くなることはなかったそう。顔は知っている程度で、連絡先の交換もしなかったといいます。卒業したおよそ8カ月後、小峠は大阪NSCを受験。17期生の入学志願者は600人もいたそうです」(芸能ライター)

 面接は2日に分けて行われ、さらに個室に通されたのは8人ずつ。この8人のなかに、小峠と西村がいた。本来、西村は1つ前のグループだったが遅刻したため、1つズレた。そこにいたのがパンク男。「大分の合宿所で‥‥」と声をかけたのは、小峠のほうからだった。2度目の運命の赤い糸によって、2人は26年間の芸人ジェットコースター人生を共に歩むこととなる。

 600人の中の8人に入る確率はわずか1.3%。しかも、吉本ではなくSMAで花開いた。

 今年のキングオブコント王者はビスケットブラザーズで吉本興業だが、M-1チャンピオンに再びSMA所属タレントが輝く可能性は残っている。テレビの世界に欠くことができなくなったSMA芸人。パイオニアである小峠、西村の功績は計り知れない。

(北村ともこ)

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