安倍VS菅「桜スキャンダル」暗闘の舞台裏(1)二階幹事長の意味深長な言葉

 憲政史上初となる2887日超えの政権最長記録がメディアで喧伝される中、安倍総理が思わぬスキャンダルで窮地に立たされている。実はコレ、謀略渦巻く政権内抗争が裏に潜んでいたというのだが・・・・。

 毎年4月、東京・新宿御苑で開催される総理主催の「桜を見る会」。これは各界の功労者を招待するのが制度上の建て前になっている。

 ところが今年の招待客のうち、実に1000人程度が安倍晋三総理(65)の地元後援会関係者だったことが発覚。さらに総理枠の中には私人である昭恵夫人(57)の推薦者も含まれていたことが明らかとなり、野党は「税金の私物化だ!」と猛批判を展開している。

 しかも今年の「桜を見る会」前日にホテルニューオータニ東京で開かれた地元後援会関係者らの前夜祭の参加費用が、1人5000円という破格の安さだったことも波紋を広げた。安倍総理は「地元後援会とホテル側が決めたもの」「参加者がホテル側に直接支払った」などと釈明したが、ヤメ検弁護士をはじめとする法律専門家からも、厳しい声が上がっているのだ。

「仮に安倍事務所が参加費用の一部を補填していたなら、公職選挙法違反などに問われる可能性が出てくる。前夜祭には安倍総理も出席しているが、政治資金収支報告書に参加費用に関する記載はなく、総理が費用を支払っていたとすれば、政治資金規正法違反の可能性も。さらに、ホテル側が総理側への利益供与として特別に参加費用を値引きしていた場合、政治資金規正法違反どころか贈収賄罪に問われる可能性すらある」

 そんな中、自民党の二階俊博幹事長(80)が11月19日の記者会見で意味深長なひと言を口にする。記者から「ポスト安倍」「長期政権の緩み」について問われ、何やら含みのある表情で、次のように言い放ってみせたのだ。

「政府も党も、はちきれるような緊張感だ。長期政権の緩みなどありえない」

 実はこの言葉にこそ、今回の「桜スキャンダル」へと至る秘密と真相が隠されていた。事実、閣僚経験もある自民党の大物議員は、緊張感みなぎる内情を次のようにブチまける。

「政権内と党内では今、ポスト安倍を巡る金玉の握り合いと潰し合い、そして今日の友は明日の敵、の疑心暗鬼が渦巻いている。ズバリ、抗争劇の主役は安倍さんと菅さんだよ」

 歴史的な長期政権を二人三脚で支えてきた安倍総理と菅義偉官房長官(70)の間で勃発した抗争劇とはいかなるものか。

 一連の「桜スキャンダル」は、共産党の田村智子参院議員(54)が11月8日、参院予算委員会で追及の口火を切り、瞬く間に深刻化していった。官邸関係者が声を潜めてこう明かす。

「国会質問では事前に野党から内閣府に問い合わせがあり、官房長官が情報を差し引きしながら総理にその照会内容を伝えます。どんな質問かが、あらかじめ総理の耳に入るわけです」

 どんな情報をどう伝えるか。それは菅官房長官の胸ひとつなのである。

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