東京ヤクルトスワローズの助っ人問題は、バレンティンの残留騒動だけではなかった。
ゴールデングラブ賞(2015年)も受賞した遊撃手、アルシデス・エスコバー(32)の新加入が決まった。ベネズエラ出身でオールスターにも出場したバリバリのメジャーリーガー。97失策とワースト2位に落ち込んだヤクルトにとって、センターラインの強化は必須事項だった。
三遊間の深いところからスナップの効いた一塁送球、打者走者を間一髪のところでアウトにする。「そんなメジャーのプレーが神宮球場でも見られる」と高津新監督も期待を寄せているが、米球界はシビアな見方をしている。
「昨年オフ、ロイヤルズからFAとなりましたが、実はどこともメジャー契約ができず、ホワイトソックス傘下のマイナー球団に拾われた形でした」(在米ライター)
ゴールデングラブ賞獲得以降、守備範囲の広さが影を潜めたと言われている。打撃では主に1番を任されてきたが、早いカウントから打ちに行く“フリースインガー”のため、四球を選ぶことが少なかった。出塁率が3割を切ったため、「攻守ともにピンチ」という評価だったのだ。もう一つの心配事が、
「往年の盗塁王、オマー・モレノの愛娘と結婚、子供が生まれたものの、その後ファンの女性に手を出してモレノの娘と別れて再婚しました。私生活のほうは大人しくなっているようですが」(同前)
その当時のロイヤルズといえば、青木宣親がブルワーズから移籍してきた頃。青木は「エスキー(エスコバーのこと)はラテンのノリで、性格も良い」と再び同僚となることを歓迎していたが、往年の盗塁王を巻き込んだスキャンダルを知らないはずがない。
「まだ衰える年齢ではないと思いますが下半身に往時のキレがなく、スピード感がなくなりました」(特派記者)
セールスポイントである守備の衰えを指摘する声はもちろん、野球以外でニュースにならなければいいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)