6月10日、小泉進次郎農水大臣は新たに20万トンの備蓄米を追加放出することを発表した。2020年産の古古古古米は5キロ1700円程度で転倒に並ぶ見通しだという。
10日放送のTBS系「ゴゴスマ~GOGO!smile~」では、こうした備蓄米放出を受けてコメの価格が下がり始めていると指摘。卸売り業者間の「スポット取引」に関しても、「随意契約の影響で下がり始めた」との関係者の声を取り上げた。
スタジオでコメに関して議論が繰り広げられる中、タレントの鈴木紗理奈が「すごい疑問に思うんですけど、いいですか?」と前置きしてこんな疑問を口にした。
「備蓄米って税金で買ってるんですよね? それを売るってどういうことですか? それを“配る”じゃダメなんですか? 国民に」
すると元衆議院議員の金子恵美氏は「配給」とフォローしつつ、「災害時のもので考えた時に、たとえば災害時でも東日本大震災でも有償で出しているんですね。備蓄って」と反論し、「国有財産ってところで考えた時に取引で、今回の備蓄米は随意(契約)ですけど、取引としては本来は入札、公平性とか透明性とか会計法上そうなっているんだけども…」と解説。これに紗理奈は「価格設定いくらにするかっていうのはおかしな話だと思っていて、税金で買われたものがビジネスで使われて、誰かが儲かったりするのって不思議やなって」と疑問を呈した。
備蓄米を国民に配給すべきとの意見に、SNSでは《よく言った!》《紗理奈いいぞ》などと称賛の声が集まる一方で、《金子さんが自民党擁護に必死》といった声も見られた。
「小泉大臣が備蓄米を随意契約で放出したことで、テレビでは連日のようにコメ売り場の映像が流れ、石破内閣の支持率も上昇傾向にあります。紗理奈さんが言うように、備蓄米の原資は税金。それを買った人が国に感謝するのもおかしな気がします。紗理奈さんはコロナ禍で無償配布されたアベノマスクを引き合いに話していましたが、番組MCの石井亮次アナは100万トンの備蓄米を全国民で割ると、量も少なくなるし、配るには時間や手間がかかると指摘していました。100万トンの米は10億キロ。1億2000万人で割ると、1人あたり8キロ強。量的には十分すぎると思いますが、配送料などのコストを考えると現実的ではないかもしれません」(メディア誌ライター)
もともとは税金で買った備蓄米が、政権浮揚の道具にされないことを祈るばかりだ。