失言で失脚した江藤拓氏に代わり、小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任したのは5月21日。それから1週間足らずで随意契約による備蓄米の売り渡しが進み、早ければ6月初頭にも5キロ2000円程度のコメが店頭に並ぶ見通しだ。
これを受けて5月28日放送のフジテレビ系情報番組「サン!シャイン」がこれまで市場に放出された備蓄米を徹底解説したのだが、その独特の呼称に視聴者から大ブーイングが寄せられている。メディア誌ライターが語る。
「備蓄米の放出は予定しているものを含めて計4回。1回目から3回目の時は江藤拓前農水大臣だったので、これを『江藤米』と紹介。今後放出される2000円台の備蓄米を『小泉米』と紹介したのです。また、イメージが湧きやすくするためか、ご丁寧に『江藤米』『小泉米』とプリントされた米袋まで用意していました。進行を務める女性アナウンサーが『いわゆる江藤米は3000円台』と価格を説明すると、スタジオの共演者から失笑がもれていました」
この呼称は視聴者に大不評のようで、SNSでは《勝手に名前つけんな!》《江藤米は売るほどもらった米じゃないの?》《小泉米とか江藤米とかやめてほしい》などと苦情が相次いでいた。また、番組では「江藤米」を契約してしまった販売店を取材。「小泉米」は2000円台と割安だが、「江藤米」は3000円台。さらに送料もかかるとあって、販売店の代表者は仕入れ先の組合に交渉するが、「無理です」と断られ、悲嘆に暮れていた。
「スタジオでは4000円台の銘柄米、3000円台の『江藤米』、2000円台の『小泉米』、そして3000円台の輸入米の4種を並べて、スタジオの出演者に『どれを買いたい?』と質問したのですが、全種類を挙げた谷原章介さんを除いて、『江藤米』を選ぶ出演者はゼロ。高くてもうまい銘柄米が食べたい人と古古古米でもいいから安さで選ぶ人に分かれた印象。その点、『江藤米』は価格帯が中途半端で、いまだに店頭に並んでいないわけですから、『小泉米』にくらべて『高くて遅い』という印象しか受けません。すでに2000円もしくは1800円程度の『小泉米』を見込んで、コメを買い控える動きが広まっています。この放送で『江藤米』の不人気ぶりに拍車がかかりそうです」(前出・メディア誌ライター)
もともとは備蓄米ではあっても、米農家が丹精こめて作ったコメを“失言大臣”と関連づけるのはいかがなものか。