政府備蓄米の3回目の入札が4月23日から始まった(25日まで)。今回の放出では、2023年産の福島県「天のつぶ」や青森県の「まっしぐら」など10万トンが対象となる。
農水省はこれまで計21万トンを順次放出しているが、現在も全国のスーパーや小売店にはすべてが流通しておらず、コメの価格高騰は治まりを見せていない。農水省が14日に発表した、3月31日~4月6日の全国スのーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、前年同期比2倍を超える4214円にまで達している。
もっとも、これはあくまでも平均価格の話。ブランド米の場合、5キロで6500円という限界突破価格で販売する店もあるという。これにはSNSでも、《ボッタクリ過ぎ》《消費者ナメ過ぎだろ》と怒りの声が相次いでいる。
また、スーパーによっては備蓄米が販売されない店もあるという。いったい、なぜか。
「政府が放出した備蓄米計21万トンのうち、約94%を落札したのがJA全農です。備蓄米はその後、JAグループの卸売業者に売り渡され、スーパーの店頭に並びました。結局、JAグループなど一部の大手スーパーや外食産業にしか備蓄米は流れておらず、入荷のないスーパーでは逆に価格高騰に拍車がかかっているというのが現状なのです」(流通ジャーナリスト)
確かに安売りで有名な「OKストア」の各店舗ではコメの品切れが相次いでおり、逆に、他の大手スーパーなどではコメが山積みになっている。3回目の備蓄米放出によって、価格下落に期待がかかっているが、こんな状況では、いよいよ5キロ1万円を突破するような事態になってしまうかもしれない。
(ケン高田)