底なし沼のようにも思える仮想通貨の下落トレンド。今となれば、ビットコインが200万円以上に高騰した2017年末が遠い昔に思える。〝高値つかみ〟をした投資家にとっては、相場の行方が気になって仕方がないはずだ。そんなとき、つい見てしまうのが、YouTubeの仮想通貨価格の予想動画ではないだろうか。
YouTubeで「仮想通貨」「ビットコイン」などのワードで検索すると、関連動画がズラリと並ぶ。「○○、19年に爆上げか?」「△△が更なる下落で破綻の危機」など、期待を持たせたり不安を煽ったりするタイトルのオンパレードだ。
特に多くの日本人が支持する仮想通貨リップル(XRP)の爆上げを予想する動画の人気が高いが、真に受けるのは危険だと金融ライターは指摘する。
「そもそも仮想通貨の値動きを予想するのは、非常に困難です。理由もなく、突然爆上げしたり、爆下げしたりしますからね。全部とは言いませんが、仮想通貨のユーチューバーの中には、数少ないニュースを元に主観で予想していることが多く、信ぴょう性には疑問符が付きます。本当に予想が当たるのであれば、わざわざ動画で公開せず、自分だけで儲けているはずですからね」
では、なぜ動画を配信するのか。
「動画再生回数に応じた広告収入が1つの理由です。〝爆上げ!〟など強烈なフレーズを使えば、再生回数も多くなります。そのため、内容はともかく、ショッキングなタイトルをつけるケースが多々見られます。動画の説明欄にアフィリエイトのリンクを貼り、収入につなげる方法もありますね。また、自身の『LINE@』へ加入を促すユーチューバーもいます。LINE@は複数のユーザーに一斉メッセージを送信できるなど、さまざまな機能を持ちます。LINE@のメンバーに動画の告知などをすれば、再生回数も計算できますからね」(前出・金融ライター)
仮想通貨に手を出すより、仮想通貨のユーチューバーになったほうが儲かるかも。
(石田英明)