「フォークを覚えた弊害」阪神・ゲラが1イニング投げ切れない不調を下柳剛氏が分析

 阪神は4月20日、甲子園で行われた中日戦を、8-1で勝利。今季甲子園2勝目を挙げ、3連敗を免れた。

 プロ初先発のドラフト1位・伊原陵人は好調の広島打線を相手に5回4安打無失点。12球団で新人一番乗りとなるプロ初勝利となった。一方の打線は4番・佐藤輝明が初回に今季チーム甲子園1号となる2ランを放ち先制。5回にはこの日2本目となる3ランを放つなど、4安打6打点と大暴れした。

 阪神ファンにとっては嬉しい日曜日となったが、気になったのはゲラ投手の不調だ。

 この日は6点リードの7回に登板。先頭から連打を浴び無死1、3塁のピンチを迎え、後続のショートゴロの間にランナーの生還を許して失点。続く広島・石原貴規は空振り三振に仕留めたが、2アウト1塁からレフトへの2塁打を浴び、二死2、3塁のピンチを招いたところでマウンドを桐敷拓馬に譲った。

 ここまで5試合にリリーフ登板しているゲラだが、3日と17日の登板でも、1イニングを投げきれない中で降板している。今季3試合目のイニング途中での降板となり、防御率は13.50。昨季、59試合に登板し、1勝4敗31ホールド14セーブ、防御率1.55で活躍した姿とは程遠い状態だ。

 この日のABCテレビの野球中継で解説者の福留孝介氏は「スライダーの曲がりが早い」「ストレートは、表示速度ほど打者は早く感じていない」と指摘していたが、阪神OBの下柳剛氏は18日に更新した自身のYouTubeチャンネルでゲラについてこう語っている。

「落ちる球を覚えたほうが上手くいくよなというところがあって、フォークボールを投げ出した弊害が、スライダーが甘くなってきてる要因」

「フォークを覚えてフォークを落とそうするばかりに、その感覚が、スライダーのカットの感覚をちょっとズラしてしまって、甘いところにいって打たれてしまう」

 4月4日に1軍登録を抹消、15日に再昇格していたゲラだが、2人の話を聞く限り、再びファームで再調整したほうがいいのかもしれない。

(鈴木十朗)

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