トランプとプーチンの接近が招く世界の危機?リトアニアの“予言壁画”が再び話題に

 バイデン政権の時とは一転してロシアに歩み寄る米国。前回就任中から親交のあったトランプ、プーチンの両首脳によるところも大きいが、停戦に向けた協議を自国抜きで行ったことにウクライナのゼレンスキー大統領が反発。トランプ大統領を批判したが、「選挙を経ていない独裁者」と逆に非難されることに。

 米露に翻弄されるウクライナにとっては正念場だが、トランプ大統領就任後の米ウ関係の冷え込みは以前から予想されていたこと。ロシアにとっては理想的な展開だが、海外のネット上ではバルト三国のリトアニアの「ある壁画」が今の状況を予言していたと話題になっている。

 同国の首都ビリニュスにある問題の壁画は、トランプ氏とプーチン大統領がキスを交わすというもの。トランプ氏はタバコを手にしており、離れたばかりと思われる2人の唇は糸を引くような煙で繋がっている。

 この壁画はトランプ氏が最初の大統領選に勝利した16年、地元ファストフード店の経営者が描かせたもの。つまり、両首脳が親密な関係を築く前の作品であり、予言画という声はあながち嘘ではない。

 今回、SNSを通じて壁画の近くに住む男性から話を聞くことができたが、「当時からちょっとした観光名所になっていた。でも、昨年トランプ氏が大統領選に再選してからは訪れる人が増えている」と話す。ただし、リトアニアの多くは米露両首脳が親密な関係を築くことに警戒心を抱いているという。

「リトアニアを含むバルト三国は大国に翻弄され、ナチスドイツやソ連に併合された歴史を持ちます。ウクライナが置かれた状況は他人事ではなく、米国、そしてソ連時代を彷彿とさせる強権主義的な今のロシアが歩み寄る姿は不安しかありません。メディアもそういう論調で報じるところが増えています」

 ビリニュスではソ連時代、KGBの本部があり、多くの市民が拷問の後、秘密裏に処刑されている。ゆえに反ロシア、反プーチン色が強く、この壁画のような濃密な関係になることに危機感を抱いているそうだ。

 2月19日にトランプ氏は、第三次世界大戦について「それほど遠くない」と意味深に述べている。米露両国が手を組んで大戦突入なんて悪夢のシナリオにならないことを祈りたい。

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