J1横浜F・マリノスが、今季2度目となる監督交代に踏み切る。第18節・鹿島アントラーズ戦(5月25日)で連敗を「7」で止めはしたが、その後も低迷は止まらず、チームは混迷の度を深めている。
天皇杯2回戦(6月11日)では、JFL所属のアマチュアクラブ・ラインメール青森にまさかの0-2完敗。そして続くリーグ第20節(15日)、19位・アルビレックス新潟に対してもわずかシュート4本に終わり、0-1で敗れた。
この結果を受け、クラブは元オーストラリア代表DFキスノーボ監督の解任を決定。
「実は第18節・鹿島戦で敗れた場合には、キスノーボ監督を即解任する方針でした。ところが幸か不幸か、勝ってしまった。結果的に判断が後手に回った印象は否めません」(サッカー担当記者)
後任監督としては、昨季までサガン鳥栖を率いていた川井健太氏にオファーを出している模様だ。
「この人選は、浦和からマリノスにやってきた西野努スポーティングダイレクター(SD)によるもの。西野SDは、4月にホーランド前監督を解任した際、続く5月の6連戦を“ヤマ”と位置付け、『ホーム4戦全勝・6試合で3勝』という公約を掲げていました」(マリノス番記者)
しかしその結果は、ホーム1勝3敗、全体で2勝4敗と惨憺たるものだった。
クラブOBからは、事態を重く見て「今シーズンのJ2降格をある程度覚悟したうえで、マリノスを熟知するOB中心の長期的な再建プランを進めるべき」とする声も出始めている。
候補として名前が挙がるのは、昨季まで柏レイソルを率いていた井原正巳氏や、黄金期を支えたDF・中沢佑二氏ら。
「フロント陣さえその気になれば、OB路線の再建はすぐにでも動き出せます」(横浜OB)
だが、名門クラブの“迷走”は今なお止まらず、サポーターの不安と苛立ちは募るばかりだ。
(小田龍司)