今年も「確定申告」のシーズンがやってきた。自営業やフリーランスなどの個人事業主にとっては面倒ながらも避けては通れないが、実は会社員にとってはちょっとした「お小遣い」を得るチャンスでもある。
会社員の場合は12月に「年末調整」を行うため、基本的には確定申告をしなくてよい人がほとんどだ。ただし、申告することによって得をする可能性もある。
まず確認してほしいのは、家族が1年間に使った「薬代」だ。2017年から導入された「セルフメディケーション税制」は、個人が「健康の維持増進・疾病予防への一定の取り組み」を行うことを前提に、指定の市販薬や医師に処方された家族全員分の薬代が控除される仕組み。年間の薬代が1万2000円を超えた場合、その超えた部分について最大8万8000円まで所得控除を受けることができる。
対象となる薬には「セルフメディケーション 税控除対象」のマークが付いているので、忘れずにレシートをとっておきたい。花粉症や頭痛薬なども対象になっているので、利用できる人はかなり多いのではないか。ただし、セルフメディケーション税制を選択すると、通常の医療費控除を併せて受けることができないので、年間医療費が10万円を超える人は注意が必要だ。
また、災害や盗難等により資産に損害を受けた場合にも控除を受けることができる。近年は集中豪雨や豪雪、落雷などの自然現象によって住宅や家財に損害を受けるケースが少なくない。この場合、申告を行うことで「雑損控除」を受けられる。これとは別に、その年の所得金額が1000万円以下の人が被災した場合、「災害減免法による所得税の軽減免除」という制度もあり、どちらか有利な方を選ぶことができる。被災状況が確認できる書類や領収書などは捨てずに保管しておきたい。
このほか、「介護用おむつ」や白内障、緑内障など、医師から治療を受けるために必要となる「メガネ」なども対象になる場合がある。「自分には関係ない」と思わずに一度確認してみてほしい。
(ケン高田)