「AT対MT」論争に完全決着をつける「改正道路交通法」が4月施行!

 これまでに幾度となく激しいバトルが繰り広げられてきた「AT対MT」論争に、ついに終止符が打たれることになりそうだ。

 今や新車の99%がAT(オートマ)車の日本では、MT(マニュアル)車を運転する機会がほぼないため、免許取得時にAT限定を選択する人が圧倒的に多かった。そのため、MT免許を持つ者が上から目線でAT限定をバカにする構図が論争になっていた。ところがそんな不毛な争いもついに終わりを迎えそうだ。

 道路交通法改正により、今年4月から運転免許の取得過程が変更される。AT限定免許でもMT免許でも、初めはAT車向けのカリキュラムを受けることになる。MT免許を希望する人は卒業検定合格後に行われる4時間の追加講習で、MT車の操作を覚える必要がある。いわゆる「限定解除」の扱いだ。

 免許取得後、MT車に乗る機会がほとんどない今、追加料金を払って講習を受ける人はそう多くはないだろう。またわずか4時間で、発進・停止、坂道発進、S字・クランク走行などを練習しなければならず、クラッチ操作が未熟なまま「坂道発進」にチャレンジすることにためらいを感じる人も出てきそうだ。

 現在、免許の取得にかかる費用は30万円前後かかるが、教習所へ支払う費用が用意できず、諦めたり先延ばしにする若者は少なくない。今後MT免許を取得する場合は、40万円程度かかると見られており、さらにMT離れが加速しそうだ。

 長らく続いてきた「AT対MT」論争も、免許取得者のほとんどがATになってしまったら、そもそも言い合いにすらならなくなってしまうだろう。

(ケン高田)

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