フジテレビが窮地に立たされている。1月30日、2025年3月期の広告収入は従来計画を約233億円下回る約1252億円になる見通しであることを発表。元タレントの中居正広さんの「女性トラブル」をめぐる対応に批判が集まり、スポンサー企業だけでなく、政府広報もCM出稿を取りやめている。フジテレビ関係者が語る。
「CM収入の激減だけではありません。ニュースの現場では、取材先から『NG』を突きつけられ、ドラマの制作現場でもロケ地の協力が得られずに収録が思うように進まない。予定していた4月クールのドラマの中には延期もしくは中止を強いられるケースも出てくるでしょう」
渦中のフジテレビの内情を伝えたのは2月2日放送の日本テレビ系「真相報道バンキシャ!」。紹介したのは新社長の清水賢治氏が社員に送ったメール。そこには「フジテレビは急激な業績の落ち込みにも耐えられる経営基盤を持っている」「まずは安心して未来に向けて、取り組んでいただきたい」と記されていた。
続けて番組が触れたのは1月30日に行われたフジ・メディア・ホールディングスの取締役会。「取材に基づくイメージ」というテロップ表示のもと、取締役会の模様を再現VTR化した。フジテレビの清水新社長、フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長、そして取締役相談役の日枝久氏に扮した役者の姿が映し出された。取締役会では、番組制作やイベントなど8項目について説明があったという。出席者によれば、日枝氏は金光社長に話しかけるなど、元気な様子を見せていたというが、視聴者が注目したのは再現映像の完成度だった。
「再現VTRには高齢の俳優が多く出演。日枝氏を演じた俳優は無名ながらも眉の形や髪型がソックリで、SNSでは《日枝氏を完コピ》《この役者どこで見つけたんだ》などと、激似ぶりを指摘する声が多くあがっていました。しかし、その一方で、《この再現意味ある?》《何を見せられてるんだ…》《取締役会の情報筒抜けじゃん》《情報ダダ洩れの経営陣を一掃しろよ》といった声も見られました。たしかに、ごく限られた人しか出席しない取締役会の内情が、なぜここまで詳しく外部に漏洩したのか。日枝氏も、まさか他局の情報番組で再現ドラマの登場人物にされてしまうとは思いもよらなかったでしょうね」(メディア誌ライター)
フジテレビはコンプライアンスだけでなく、情報管理の面でも大きな課題を突きつけられている。