サッカーフランス1部リーグ、スタッド・ランスに所属する伊東純也について大阪第2検察審査会(検審)が「不起訴相当」と議決したことが1月29日にわかった。議決は23日付け。
伊東は女性2人から2023年6月に大阪市内のホテルで同意のない性行為に及んだとして準強制性交致傷罪などで告訴されていた。これで性加害疑惑の捜査は終了となる。
「このトラブルは昨年1月、アジアカップの期間中に明るみになった。前代未聞のスキャンダルとして日本サッカー協会(JFA)は伊東のチーム離脱を決めました」(サッカー担当記者)
この影響がモロに出た。3大会ぶり5度目の優勝を狙っていた日本はイランに準々決勝で1−2と逆転負け。92年以降では過去最悪タイとなる8強止まりに終わった。重要なゲームを落としたことで、伊東のトラブル以上に、森保監督の采配に対してブーイングが上がった。
サッカーの代表チームにとって致命的な黒星は、チーム崩壊のきっかけになる。森保ジャパンも大ピンチを迎えていたが、「この敗戦によりチームが結束したのは間違いない」と言うのはスポーツ紙記者。
「伊東のトラブルが代表戦の期間中に起きたとあって、JFAのスポンサーが大激怒。今回の中居正広のトラブルでフジテレビからスポンサーが撤退している状況に近いことが当時、舞台裏では起きそうになっていたのです」(同)
そんな状況の中、JFAが決めた伊東の離脱に最後まで徹底抗戦したのが森保監督だった。JFA関係者によると、森保監督はこんなふうに抗議したという。
「罪を犯したという決定が出ているならわかるが、そうじゃない状況で代表を外すのは違う。純也にも家族や応援している人がいる。そして日本代表のために誰よりも頑張っていている選手なんですから…」
ブレずに伊東を擁護していたことを選手もスタッフも全員目の当たりにしており、「このことが分岐点になりW杯予選での快進撃につながった」(前出・スポーツ紙記者)という。
リスク管理を抜かりなく行えば、おのずと“結果”は出る。まさにお手本のひとつだろう。
(小田龍司)