日本サッカー協会(JFA)が真っ青である。性加害疑惑の渦中にいる日本代表・伊東純也が、2月11日に所属するフランス一部リーグ、スタッド・ランスのリーグ戦(対ロリアン戦)にフル出場したからだ。
31歳のスティル監督は「伊東純也は我々のためにしっかりプレーしてくれている」として、クラブとしては“推定無罪”の伊東をしっかりサポートする体制が出来上がっている。
反対に、JFAはバラバラだ。今回の問題が発覚した際にはアジア・カップ期間中にもかかわらず早々に「伊東のチーム離脱」を決めた。ところがチーム側は「純也と一緒に戦いたい」としてJFAの決定の差し替えを求めたが、最終的にJFAが「離脱決定」を押し切り、田嶋幸三会長が「二転三転してしまい申し訳ない」と謝罪する場面もあった。
森保一監督は当然のことながら伊東支持の立場で、
「W杯2次予選の北朝鮮戦(2月21日・国立、26日・平壌)にもコンディションさえ良ければ招集したいはずです」(JFA担当記者)
しかしJFA内部には伊東の招集に「異議あり」の声もある。そもそも代表戦のあと、チーム解散中とはいえその晩に外出した行動を問題視している。代表チームの強化責任者である反町康治技術委員長は私見と前置きした上で「プロ選手なんだから、自分の律しながらやる必要がある」とバッサリと切り捨てていた。
加えて田嶋会長は今回の伊東の離脱について「パートナー(JFAスポンサー)のことも(離脱の)判断に影響したのは事実」と話しており、
「推定無罪だからといって、伊東がすぐに代表に招集できる状況ではないと思います」(代表担当記者)
JFAが一枚岩になっているとはとても言い難い状況なのだ。
(小田龍司)