シューズの最新技術は箱根駅伝で試される!大会「スピード化」の裏にあるメーカーの開発戦争

 今年の箱根駅伝で選手の激走とともに注目が集まったのは、彼らの「足元」だった。ここ数年、激化している大会のスピード化の要因の1つに、選手が履くランニングシューズがあるからだ。

 青山学院大が2年連続、しかも、総合大会新記録で優勝した背景にも、ランニングシューズの進化があったといわれる。

「2017年までのランニングシューズは、とにかく軽さが要求され、薄底が基本でした。ところが、同年の大会で、ナイキがそれとは真逆の『厚底シューズ』をデビューさせた。これまでの常識を完全に覆したのです。以後、21年大会では出場ランナーの95%以上の選手がナイキの厚底シューズを履いて箱根を走るようになりました」(夕刊紙記者)

 国内でのランニングシューズ市場は年間380億円を超えており、スポーツメーカー各社が売上増を狙ってしのぎを削っている。ただ、メーカーが箱根駅伝に注目するのは理由があるという。

「五輪や、今年9月に行われる世界陸上では規則にあったシューズしか履けないのです。箱根では最新の技術を詰め込んだシューズを試すことができる。ここ数年のスピード化は、各メーカーのシューズ開発戦争の賜物と言ってもいい」(陸上担当記者)

 ちなみに今年の大会で多くの選手が履いて走ったアディダスのシューズ(アディゼロ アディオス Pro EVO1)は1月7日に一般向けに発売され、価格は1足8万2500円。新記録にチャレンジする全てのランナーの足元を支えてくれるはずだ。

(小田龍司)

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