毎年1月2~3日に行われる箱根駅伝は、今年が第100回の記念大会となる。出場枠は例年の20校から23校に増え、2023年10月の予選会では初めて関東圏以外の大学の参加が認められるなど、例年以上の盛り上がりを見せている。
だが、これだけ長い歴史があると、レース中に起きたハプニングも少なくない。例えば、49回大会(73年)では、山下りの復路6区で犬が先頭集団に加わる一幕があった。実は、犬の乱入はこれまで何度もあり、53回大会(77年)には同じ6区で2キロ地点から約3キロにわたって犬が「先頭」を快走した。だが、これがちょうどいいペースメーカーとなったのか、1位で中継所に入った日体大・塩塚秀夫は、当時の区間新記録となる58分56秒の好タイムをマークしている。
一方、シャレにならない乱入劇となったのが、63回大会(87年)だ。最終10区をトップで快走中だったのは順天堂大・工藤康弘。ところが、2.5キロ過ぎ付近で、沿道からジーンズにサングラス姿の男が飛び出し併走し始めたのである。しかも、なんと足を引っかけて工藤を転倒させてしまったのだ。転んだ際にヒジを強打したのか、中継のテレビ映像でも出血しているのが確認できるほど。それでも彼はすぐに立ち上がって走り出し、区間賞こそ逃したが区間4位の力走で同大の総合優勝に貢献した。
そして、94回大会(18年)では、フロント部分がアンパンマンの顔になっている改造ワゴン車が1~2区にかけてコース脇の車道を走行。妨害行為などはなかったが、先頭集団の斜め後方にいたのでテレビの映像でもばっちりと映ってしまい、ネット上では《日テレの演出か》《気になって駅伝に集中できない》などと大盛り上がり。ちなみにドライバーはスポーツ紙の取材に「悪意はなかった」と語っているが、整備不良で警察に捕まったとも報道されていた。
笑い話で済む話もあるが、どんなハプニングであっても選手にとっては迷惑なだけだ。2024年の記念大会は何のトラブルも起こることなく白熱したレースになることを期待したい。