「中国政府と中国人は分けて考えないと」玉川徹氏の“日中友好論”に反論続々

 中国広東省深セン市にある日本人学校の校門付近で、日本人男児が中国人に刃物で切り付けられ、死亡するという事件が起きたのは今年9月18日のこと。それから2カ月以上が経ち、中国の「対日感情」は改善されているかと思いきや、12月2日に発表された日中共同世論調査によれば、「良くない」「どちらかといえば良くない」と答えた中国人が87.7%にのぼり、対日感情が急激に悪化していることがわかった。

 これを受けて12月10日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)は中国の対日感情について解説。中国のSNSでは日本の「汚染水」に関するデマが拡散されていたが、前述した世論調査を見ると、「訪日経験あり」という中国人は55.6%以上が日本に対して「良い」という印象を持ち、「訪日経験なし」という中国人は約97%が「良くない」という印象を持っていることがわかった。

 その後、世界各国の外交官と交流があった元中国紙の幹部がスパイ罪に問われ、懲役7年の判決が下されたニュースを紹介。11月30日に日本から中国への「ビザなし渡航」が再開されたが、スタジオでは、「仕事や観光で訪れた人でもささいな行動でスパイ行為だと捉えられる可能性がある」という専門家の意見を伝えた。

 こうした状況を踏まえ、コメントを求められた元テレビ朝日社員の玉川徹氏は「我々日本人もですね、中国政府と中国人っていうのは分けて考えないといけないとずっと思ってるんです」と前置きして、「韓国政府と韓国人も別」と持論を展開。「中国の中にもいろんな人がいるわけですよ、当たり前だけど」と述べて、こう続けた。

「日本に来てもらう。日本に来て、本当の日本を見てもらったら、誤解が解けるわけですよね。そういう人がどんどん増えていけば、日本にとって絶対プラスになるんですよ。絶対そうなる。だからどんどん来てもらえばいい。来てもらうのはいいんです。日本はオープンだから」

 さらに玉川氏は、「中国政府がやってることは日本人が中国に行くときに不安を覚えるようなことをやってるわけです。だから、そんなことをやってる政府がダメなんだ」とダメ出ししていたが、「中国政府と中国人は分けて考えるべき」という“日中友好論”に対して、SNSでは《玉川さん靖国の落書きを忘れたのか》《暴走死亡事故で日本人が亡くなったんだよ》といった意見が見られた。

「確かに世論調査を見ると、一度でも日本を訪れた中国人は日本に対して良い感情を抱いていることがわかります。とはいえ、ネット上の書き込みにあったとおり、今年5月には中国籍の男が靖国神社の社号標に『トイレ』と落書きをするなど、不穏な事件が後を絶ちません。タレントの小嶋陽菜さんにストーカー行為をはたらき、イベント会場で押し倒した男も中国人留学生でした。このような事件の後ということもあって、『中国政府と中国人は別』とする意見に違和感を抱いた視聴者は少なくなかったようです」(メディア誌ライター)

 冷え切った日中関係を改善するためにも、日本国内での犯罪は控えてほしいところだ。

ライフ