また捕手渋滞?ドラフト会議後に「巨人・嶋」誕生か

 10月17日、プロ野球ドラフト会議が行われる。注目は令和の怪物・佐々木朗希、甲子園の雄・奥川恭伸の両投手だが、その指名如何では、「巨人・嶋基宏」が誕生するかもしれない。

 16日、巨人は1位指名を決定する最後のスカウト会議を開き、原辰徳監督も参加した。「即戦力投手の補強」を改めて訴えたが、現場が求めたのはそれだけではない。阿部の後継者だ。

 東海大学の強肩捕手・海野隆司、強打の佐藤都志也(東洋大)といったところの指名が予想されるが、両捕手の上位指名を決めている球団は、他にもある。オリックス、中日、楽天、日本ハム、ヤクルトらも熱視線を送り続けてきた。

「1位指名は投手。2位以下で海野、佐藤が残っているかどうか…」

 これは、ドラフト会議当日の午前中に出た在阪球団スカウトの言葉だ。巨人が「将来のエース」と「阿部の後継者」を同時指名することはかなり難しいだろう。そこで再注目されたのが“戦力外選手リスト”だ。

「戦力外を通告された捕手のなかに、オリックス・髙城俊人がいます。打撃はイマイチですが、捕手能力は高い。DeNA時代の髙城を中畑清前監督は高く評価していました」(球界関係者)

 だが、阿部の後継者としてはネームバリューがやや物足りない。

 減額制度を大幅に超えるダウン提示を受け、楽天からの退団を選択した嶋基宏もいる。今季は最少となる57試合の出場に留まったが、まだ34歳、老け込む年齢ではない。「若手にスタメンマスクを奪われた悔しさ」を新天地で爆発させたいとしており、ドラフト会議後「興味アリ」とする球団が現れれば、即交渉となるだろう。楽天からは将来のコーチ就任の打診もされたが、「現役で良いパフォーマンスをすることが、今目指すこと」と言い切り、愛着深い仙台を離れることを決意した。
 
「打撃力のある大城を一塁守備に専念させ、岡本をサードにまわす布陣も考えられます。ショートの坂本を三塁にコンバートするのなら、丸以外の外野手を固定できていないので、岡本をレフトにすればいい」(スポーツ紙記者)

 嶋獲得後の布陣も聞かれた。小林、炭谷、そして、嶋。ドラフトでの捕手指名に失敗しても、侍ジャパンの3捕手がいる。まあ、これだけの捕手を使い分けるのは大変だと思うが…。ドラフトと戦力外は“表裏一体”というわけだ。

(スポーツライター・飯山満)

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