無差別殺傷を受けて玉川徹氏が爆弾発言「中国はディストピア」

 街中のいたるところに監視カメラを設置し、「治安向上」をアピールしていた中国だが、そんな“安全神話”はもろくも崩れ去ろうとしている。11月11日には、広東省珠海の広場で車が暴走し、35人が死亡。16日には江蘇省の専門学校で、刃物を持った21歳の男が暴れて8人が犠牲になった。さらに、19日には湖南省の小学校前に車が突っ込み、複数の児童や保護者が負傷した。

 11月26日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」は、公益財団法人東京財団政策研究所の上席研究員をゲストに招き、中国の現状を解説したのだが、元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏が爆弾発言をして、在中国の総局長に同情の声が寄せられている。

 専門家によれば、広東省では重要支持を受けて、地域の居民委員会という組織が、「投資に失敗した人」「失業した人」「離婚・失恋した人」など、8つの「失」を経験した人への調査を行い、その内容を警察と情報を共有しているという。

 コメントを求められた玉川氏は、この調査活動について「戦前の日本の隣組みたいな」と評して、「密告も含めて、こういう人たちをある種、スクリーニングして危険な人物として国が認定するっていうことですよね」と指摘。街中の監視カメラの多さやSNSの監視体制に触れて、こう続けた。

「それって警察国家です。警察国家っていうのは、警察権力を中心とした国の権力が国民を監視、それから統率する。そういうふうな社会を警察国家って言います。これは法治国家に対立する概念ですけど、中国は完全に警察国家化してますよね。これはよく、警察国家ってディストピアとして語られるんですけど、すでに中国ってディストピアなんじゃないかと思うんですけど」

 スタジオの専門家は中国の格差拡大やコミュニティの崩壊について言及したが、困ったのは中国と中継でつながっているANN中国総局長の富坂範明氏だ。玉川氏も「富坂さんは中国にいるから言いにくいと思うから…やめとこう」と気を遣っていたが、ネット上では「隣の国にディストピアって無礼すぎる」「中国にいてディストピアとか言えないでしょう」などとツッコミが殺到していた。

「中国にいる富坂氏は中国の監視社会について、息苦しさを感じながらも女性が夜に一人で歩くことができると評価しつつ、今回の一連の事件を受けて『負の部分だけが残ってしまうのではないか』と危惧するなど、慎重に言葉を選んでいた様子。2014年に中国で反スパイ法が施行されて以降、現地で拘束された日本人は17人にのぼります。そのため、現地の駐在員は中国当局に目をつけられないよう、政治的発言は控えていて、政府批判などもってのほか。そんな立場にある富坂さんに『中国はディストピアですか?』と質問するのは、かなり酷のように感じます」(メディア誌ライター)

 ディストピアとは、ユートピアの対義語で、「暗黒世界」「反理想郷」とも訳される。中国の監視網は日本のテレビ局にも及んでいると言われるだけに、今回の爆弾発言が想定外の事態を招かなければいいのだが…。

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