警視庁が命名した「ワンタッチ痴漢」という名称が話題になっている。自転車で追い抜きざまに女性の体を触る手口のことをこう呼ぶことにしたらしいが、ネット上には怒りのコメントが相次いだ。
9月5日配信のニュースサイト「時事ドットコム」は、東京・中野区の西武新宿線沿いなどで、2024年7月以降にワンタッチ痴漢が相次いでいることを報じている。
「7月26日、中野区沼袋の路上で自転車に乗った男が歩行中の女性の胸を追い抜きざまに触る事件が連続して2件発生しました。さらに、隣接する練馬区を含め、7、8月に同様の事件が数件発生。警視庁中野署は9月5日、ワンタッチ痴漢を行ったとして、不同意わいせつ容疑で会社員の男性を逮捕し、一連の事件との関連を調べています」(社会部記者)
当然ながら、痴漢は不同意わいせつ罪や迷惑防止条例違反などにあたる許されない行為だ。ワンタッチ痴漢の罪も同様に重い。ところが、ネット上では、以下のようにこの名称に対して反発する意見が多いのだ。
《痴漢を軽くみてるから、ワンタッチ痴漢なんて軽いネーミングができるんですよね》《警察がカジュアルなネーミングで呼んでんじゃないよ》《犯罪を軽い言葉にするな》《ここ、キャッチーにする必要ない》
「ワンタッチというのは文字通り、1度だけ手先で触れることを意味し、よく『ワンタッチで…』とも言いますが、この表現からは『手軽』『便利』『簡単』という言葉が連想されます。人によってはプラスのイメージに感じるかもしれません。犯罪や迷惑行為の名称にふさわしいのかという意見が出てくるのも当然です。こうした名称については、単なるセンスの問題だけではなく、被害者の感情も考慮する必要があるでしょう」(週刊誌記者)
警視庁は再考する必要があるかも。
(石田英明)