電話やメールなどで相手を信用させ、 現金やキャッシュカードを騙し取ったり、ATMを操作させ口座に振込みさせるなど、不特定多数の者から現金等を騙し取る特殊詐欺が急増している。
そんな中、特殊詐欺犯から住所を聞かれたので「東京都千代田区霞が関2-1-1」と答えたというSNS投稿が話題になっている。この人物は電話番号も伝えたというが、実はこの住所と電話番号は警視庁本部のもの。詐欺犯はすっかり信用したようで、この人物は「普通にメモしてたみたいです。復唱されました。完璧でした。ちょっと笑いそうなのを我慢するのに必死でした」と振り返っている。
SNS上では「これだ!その手があったか!」「なるほど!!こうすれば良いのか!」などと反響を呼んでいるが、一方で「その後が気になる…」という声も。たしかに詐欺犯がこの番号に電話をかけたとしても、警視庁の音声ガイダンスが流れた瞬間、即切りするだけだろう。むしろ逆にだまされたことを根に持ち、電話番号を悪用される可能性もあるかもしれない。
一方、警察では騙されたフリをして詐欺犯が使用している携帯電話番号や口座情報等を聞き出し、犯人をおびき出して逮捕するという「だまされた振り作戦」への協力を呼びかけている。しかしこちらもそんなにうまく立ち回れる自信がないという人も少なくない。そこでオススメなのは「防犯機能付き電話機」だ。
この電話機はあらかじめ「防犯機能」が設定されており、着信音が鳴る前に「この通話は防犯のために録音されます」と警告メッセージが流れ、相手が切れば電話は鳴らない。そのまま電話を切らなかった場合は「ただいま振り込め先対策モードになっています。恐れ入りますが、あなたのお名前を仰ってください」というメッセージが流れる。他にも電話帳登録者からの電話には名前を、それ以外からは都道府県名を表示する機能などが備わっているので、見知らぬ相手からの電話をシャットアウトできるのはひとつの安心に繋がるだろう。市町村によっては購入のための補助金が出る場合もあるので、気になる人は問い合わせてみてはいかがだろうか。
いずれにしても、知らない電話はとらない、少しでも怪しいと思ったらすぐに警察に連絡するのが大切だ。
(ケン高田)