米不足が深刻化して久しい。9月3日には坂本哲志農林水産大臣が、「品薄状態であるので、平年よりも多少の割高感はあると思っています」と発言したが、市場では日に日に価格が上昇しており、一部の米農家に直接買い付けに行く者も現れるなど、いよいよ本格的な「米騒動」に発展している。
そんな中、米どころの一部地域で、「米泥棒」を警戒する動きが出ている。地域によっては現在、新米の収穫の真っ最中だが、通常、収穫された米は2日間ほど乾燥させた後、精米されて販売される。しかし、販売を委託した農協に米を卸す以外にも、直接販売するために自分の家に保管するケースもあり、家の貯蔵庫を狙う輩が出現するというのだ。農園関係者が語る。
「8月末には台風10号の影響で大雨が降る中、『ぶどうの王様』と呼ばれるシャインマスカットが窃盗にあう被害が報告されています。その手口はまさにプロそのもので、夜間に農園に訪れては実が熟した物だけをきれいにまとめて盗っていく。米の場合は重量もあるので果実ほど容易ではありませんが、田舎では無施錠の倉庫が今なお多く、車に積めるだけ積み込んで逃走を図る手口が横行しているのです」
実際、米の収穫期を迎えている北陸地方では、すでに盗難被害が発生しており、新潟県では警察が「施設や倉庫などの近くに不審な車などを発見した場合は、警察に通報してほしい」と注意喚起を呼びかけている。
盗まれた果物は市場価格よりも安い価格で路上販売されるケースが多いというが、もし、米が同様に販売されていたら、盗品の可能性が高いかもしれない。
(ケン高田)