雨の日に気分が優れないのはナゼか/【5点以上は病院へ】健康チェックシート(2)

 水分過多のサインは「舌」にも現れる。しかしながら、巷には誤った情報も流布されているようで、

「舌に歯を強く当ててみて跡が残ったら『歯痕』水毒と捉える医師もいますが、大きな間違いです。江戸時代の文献でも『アテにならない』と記されているほど。また、舌がギザギザした状態も水毒の症状とごっちゃにされていますが、こちらは細胞内で脱水が起きたことにより、舌の形が変形して凹凸ができてのもの。乾いた状態なのです。一方で、水毒の場合は舌がむくんで分厚く腫れる状態になります」

 夏場にエアコンの効いた室内で汗をかいてしまうのも水分が余っている証拠。水分過多のサインは「舌」にも現れる。しかしながら、脳がむくむ「脳浮腫」のリスクだ。

「本来であれば、水分は体内を循環して尿として排出されるものです。ところが、その機能がキャパオーバーを起こすほどに水分を摂取してしまうと、体の表面から汗として排出されるようになります。異常な発汗によって体温が下がるせいで、体調を崩してしまうリスクが潜んでいます」

 雨の日に気分が優れないのも、むくみが災いしているのかもしれない。

「湿度が高いと、水分がきちんと発汗して蒸発されずに体内に溜まりやすい。特に顎関節症を持っていると、首から上がむくみやすいので頭痛を発症しやすい。目の奥がむくんで同様の変調が現れるケースもあります」

 慢性的に「車酔い」に悩まされてきたのならば要注意だ。

「みぞおちにあたる『心窩部』に水分が溜まっているケースが多い。筋肉と脂肪の間に水分が蓄積されてしまい、胃腸の機能低下を引き起こしている可能性が高い」

 もっとも、過剰に水分を摂取すると「水中毒」という症状が現れることも。

「血液中の塩分濃度(ナトリウム)が低下してしまい、『低ナトリウム血症』の状態になります。めまいや頭痛などの症状を引き起こすだけでなく、最悪は『脳浮腫』という脳がむくんだ状態になるリスクもある」

 何事にも適量を知ることが健康への近道なのだ。

「繰り返しになりますが、水分のとらなすぎもとりすぎもいずれもが大問題。ちなみに、飲料水だけでなく食物からも水分を摂取していることを忘れてはならない。改めて、水分を過剰に摂取していないか、己の生活を顧みる作業が肝要になってきます。令和のシニア世代は若々しく見えますが、その見た目以上に内臓はちゃんと老化していますからね」

 水との付き合い方を再考しようではないか。

【水毒チェックシート(13)】

セルフチェックで5点以上は近くの医療機関へGO!

(1)スネやふくらはぎに靴下の跡が残りやすい 1点
(2)顔がむくんでいるような気がする 1点
(3)ついつい冷たい飲み物をガブ飲みしてしまう 1点
(4)運動をして汗をかく習慣がない 1点
(5)見事な太鼓腹の持ち主だ 1点
(6)エアコンの効いた涼しい部屋でも汗をかいてしまう 1点
(7)乗り物に酔いやすい 1点
(8)1日に1リットル以上の水を飲む 1点
(9)夜中にトイレに行く回数が増えた 1点
(10)お腹を冷やして下しやすい 2点
(11)舌が分厚くなった気がする 2点
(12)雨の日に体調を崩しがちだ 2点
(13)なんだか胸が苦しい日が多い 5点

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