1日に水を3リットル飲む––。そんな局アナ出身の某人気女優が喧伝する、美容健康法を安易に“猿マネ”するのはダメ絶対!人体を生成するのに必要不可欠な「水分」も適量を超えると「毒」になりうるという。ふとした体の変調は、水の飲みすぎが引き起こしているかもしれないのだ。
「毎日を忙しく動き回っている人が水を2~3リットル飲むのは、健康を維持することにつながるでしょう。ところが、生活習慣が家中心の専業主婦やシニア世代が同量の水を飲んでしまうと、健康を害することになりかねません」
こう忠告するのは、山梨県甲府市にある「健友堂クリニック」の菅原健院長である。水をたくさん飲むことで、血流改善や老廃物のデトックス効果を期待できるが、体質に合わなければ一転して「水毒」に蝕まれてしまうという。
「『水毒』とは、水分の巡りや排泄機能が悪くなることで体内に“水”が溜まってしまう症状。一番わかりやすいのは『足のむくみ』です。どうしても、重力の影響を受けて足首やふくらはぎに症状が現れやすい。とかく、指で押してみて指の跡が戻らないと『むくみだ!』と大騒ぎしがちですが、表立った症状は靴下のゴム跡がかゆくなるぐらいのもの。むしろ怖いのは、足がむくむほど内臓にも水が滞留している可能性があることです」
その内臓の中でも、生命に直結してしまうのが「心臓」だろう。
「日頃から仕事のストレスなどで神経をすり減らしている人は、水のガブ飲みを控えた方がいいかもしれません。というのも、『心不全』を引き起こしかねないんです。精神的なストレスやドキドキ緊張することで、心臓に熱がこもります。それを冷まそうとして、心臓の周りに水分が集中。すると心臓周辺の組織が圧迫され、本来のポンプ機能が阻害されてしまう。そんな状態で大量の水を飲んでしまうことは、心臓に追い打ちの負担をかける行為に他なりません」
同様に粘膜がむくみやすい体質の人も要注意! そのバロメーターの1つが「ビール腹」だ。
「大食いでもないのにお腹が出ていたら、胃腸の粘膜がむくんでいる可能性が高い。特に夏場は、冷たい飲み物を多飲するのでむくみが出やすい時期。代謝や血流が悪くなるだけではなく、便秘や下痢になったり、風邪をひきやすくなったりと悪いことばかり。その原因は解明されていませんが、何かしらのアレルギーが関係していると言われています。自覚のある人は冷たいものを避けて、常温あるいは温かい飲み物を常飲するようにしましょう。もちろん、適量を守ってください」
胃腸をいたわりながら酷暑を乗り切ろう。
【水毒チェックシート(13)】
セルフチェックで5点以上は近くの医療機関へGO!
(1)スネやふくらはぎに靴下の跡が残りやすい 1点
(2)顔がむくんでいるような気がする 1点
(3)ついつい冷たい飲み物をガブ飲みしてしまう 1点
(4)運動をして汗をかく習慣がない 1点
(5)見事な太鼓腹の持ち主だ 1点
(6)エアコンの効いた涼しい部屋でも汗をかいてしまう 1点
(7)乗り物に酔いやすい 1点
(8)1日に1リットル以上の水を飲む 1点
(9)夜中にトイレに行く回数が増えた 1点
(10)お腹を冷やして下しやすい 2点
(11)舌が分厚くなった気がする 2点
(12)雨の日に体調を崩しがちだ 2点
(13)なんだか胸が苦しい日が多い 5点