全国各地のスーパーなどからコメが消えている。都内のあるスーパーでは「原料不足などによりお米の供給が不安定になっています」と記された紙が張り出され、「一家族各日1点まで」などと、制限付き販売が行われている。
「東京・多摩地区の大手スーパーでも8月16日現在でコメの棚はほぼ空っぽ。その代わりに、『サトウのごはん』などのパックご飯が積まれていましたね」(ウェブライター)
また、コメ不足により価格も軒並み高騰。前年より2~3割値段が上がっている場合もあり、まさに「令和の米騒動」ともいうべき事態だが、本当にこのままコメがなくなってしまうのだろうか。
農林水産省が毎月公表しているコメの民間在庫の水準を見ると、今年6月末時点での民間在庫が156万トンで、前年同月に比べて41万トン減少。比較可能な1999年以降で最も低水準だった。昨年夏の猛暑の影響で市場に出回る量が減ったことに加え、インバウンドの増加による外食需要などで消費が一気に増えたことが原因との見方もある。
農林水産省は同程度の在庫率は過去にもあったとして「特にコメ不足という認識ではない」との見解を示しているが、一部の人が事態を大げさに捉え、コメの買い占めに走っていることも一因のようだ。またネットショップでも人気銘柄の多くが「一時的に在庫切れ」もしくは購入できても発送が極端に遅い状況で、消費者の不安をさらに膨らませている。
食品ライターが続ける。
「先日の南海トラフ地震の臨時情報もコメ不足に拍車を掛けているようです。もっとも、すでに新米が流通し始めており、今後は徐々に在庫が復活するでしょう。SNSの情報に惑わされて買い占めに走ることのないようにしてください」
岐阜県内有数の米どころ海津市では、13日に「あきたこまち」の新米の初出荷式が行われた。約1000トンの出荷を見込んでいるというが、同様にこれから全国各地で新米の出荷が始まるだろう。
自宅にコメの在庫があるうちは、それほど焦らなくても大丈夫そうだ。
(ケン高田)